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医療・健康・介護のコラム

コロナ禍に悩み、迷う妊活当事者たち「どの病院へ行けばいいの?」

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コロナの影響で転院先も簡単には決められない

 Sさん(35歳)は、妊活のために近所の婦人科に通っていたのですが、3月半ばからテレワークに切り替わったのをきっかけに、いったん治療をストップしたそうです。「この機会に転院をしようかと思って、迷っているんです」とのこと。その病院では人工授精までしかできないため、いずれにしても体外受精の場合は転院になる覚悟はしていたそうで、「この機会に(治療を)進めたほうがいいんじゃないかと思って」と話してくれました。

 しかし、いざ探すとなると「いっぱいありすぎて、どこに行ったらいいのかわからない」と迷ってしまったそう。さらに「コロナの影響で、いつどうなるかもわからないし、新しい治療をしていないところもあって、今やっているところでも、いつやめてしまうかわからないとかうわさもあるし、そしたら、転院するにも簡単に決められないし……」と、決断できないでいるといいます。不妊治療は、子どもが得られるか得られないかの天下分け目の治療にもなりえるわけで、なかなか決断できないSさんの気持ちも痛いほどわかります。「どうか、二人でたくさん今後の話をして、お二人にとって納得のいく方向を選んでくださいね」とお伝えしました。

学会の声明は不妊治療休止じゃない

 妊活中の方や、これから妊活を始めようと思っている方にとって「不妊治療ができなくなる」というのはとてもつらいことです。4月1日に日本生殖医学会から出された「新型コロナウイルス感染症に対する声明」で「不妊治療を休止するようにと書かれている」と誤解されている方が非常に多く見られますが、よく読んでいただけるとわかるように、決してそうではありません。これに関しては、一般社団法人・日本生殖補助医療標準化機関(JISART)の患者向けの声明文「JISART 会員施設で治療を受けていらっしゃる患者様へ」がわかりやすいので、ぜひ こちら をご覧いただけるといいと思います。

 時代は常に変化、進化しています。今後はもう、Afterコロナではなく、Withコロナの時代となるともいわれているように、これまで私たちが知っている「日常」とは違った「日常」がこれから作られていくのでしょう。それでも、人を愛し、慈しみ、育んでいきたいという人々の思いはきっと変わらないし、そのためにも我が子を授かりたいという妊活当事者の思いが、一人でも多くかないますように。そして、事態が早く終息し、来月はもうコロナの話題ではない記事が書けますようにと、心から願っています。(松本亜樹子 NPO法人Fine=ファイン=理事長)

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松本亜樹子(まつもと あきこ)

NPO法人Fine理事長/国際コーチ連盟認定プロフェッショナルサーティファイドコーチ

 長崎市生まれ。不妊経験をきっかけとしてNPO法人Fine(~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~)を立ち上げ、不妊の環境向上等の自助活動を行なっている。自身は法人の事業に従事しながら、人材育成トレーナー(米国Gallup社認定ストレングス・コーチ、アンガーマネジメントコンサルタント等)、研修講師として活動している。著書に『不妊治療のやめどき』(WAVE出版)など。
Official site:http://coacham.biz/

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