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医療・健康・介護のコラム

コロナ禍に悩み、迷う妊活当事者たち「どの病院へ行けばいいの?」

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 「ステイホーム週間」と名付けられた今年のゴールデンウィークが終わり、政府は5月14日、緊急事態宣言を39県で解除することを決めました。しかし、東京などを中心に一部の地域はまだ解除されていません。世界各国の状況を見ると、徐々に外出自粛を解き始めている国もあるようですが、日本の一部地域では、今月いっぱいは厳しい自粛状況が続くかもしれません。

 外出をしないこと、人と接触しないことに慣れてきた部分もありますが、やはり長く続くと知らず知らずにストレスはたまってしまうし、何といっても経済活動がこのままでは、社会全体が不安に包まれてしまいます。

治療先延ばし いつ再開したら…

コロナ禍に悩み、迷う妊活当事者たち「どの病院へ行けばいいの?」

 こうした中、妊活当事者ももちろん大きなストレスを抱えていて、私たちのもとに多くの声が届いてきます。たとえば、いったん治療を先延ばしにした人から「いつ再開したらいいか、わからなくなってしまった」という悩みや、「今の病院は新しい治療を延期する方針。早く妊娠するためには転院するべきでしょうか」という悩み、また遠距離通院をしていたという方からは「家族から、この時期の通院を反対され、通えなくなってしまった。いったいどうしたらいいのか」という悩みなど、実に様々です。

 たとえコロナ渦の中でなくても、望んでもなかなか子どもに恵まれず、「病院に行ったほうがいいのかな?」と思った時、当事者は病院選びに苦労します。どういった病院があるのかさえ、よくわからない方が大半です。インターネットで検索すれば様々な情報は入手できるわけですが、逆に多すぎる情報の中から、どれを選べばいいか迷ってしまいます。最初は、できるだけ近くの通いやすいところに「ちょっと行ってみようかな」と通い始める方も多く、そこの治療が合っていればいいのですが、そうでない場合は、結局ずっと後になって転院をすることになり、「通っていた時間やお金がもったいなかった」というのも、いまだに非常によく聞かれる悩みです。これは、以前から変わらぬ不妊治療の大きな課題の一つでもあります。

病院ごとに違う治療方針 自分には何がいいのか?

 不妊治療の病院は、内容がわかりづらいため、その違いが一律に比べづらく、患者の選択をますます混乱させているとの指摘も、患者のみならず医療関係者の中からも多くあげられます。この課題について何らかの解決策が見つかるためのヒントになればと、NPO法人Fineでは現在「 病院選びのポイントアンケート 」を実施していますので、一度でも治療をしたことがある方は、ぜひ声をお寄せいただけたらと思います。このアンケートのコメントにも、病院を選ぶのは大変だ、苦労した、というものが多数寄せられています。途中経過ではありますが、ここでいくつかご紹介します。

 「治療内容が専門的で難しいため、自分に合う治療がわからなかった。いくつかの病院の説明会に行ったが、それぞれ治療方針が違い、何がいいのか混乱した」

 「治療を始める段階では正直、何が重要なのかも全然わからなくて、結局、立地や価格で決めてしまった」

 「公表されている情報だけでは正しいかどうかわからないし、方針も、自分にとってどのやり方がよいのか全然わからない」

 「病院によって治療方針が全然違っていて、当初は刺激周期や自然周期などのメリット、デメリットも、自分の体に何が合うのかもさっぱりわからなかったので、とても迷いました」

 「各病院の検査項目がわかりづらい。自分が何を検査済みで、何を未検査なのかわからず、必要なものが判断できなかった。不育症の情報も少なく、病院に行って何を治療するのかわからなかった」

 このように、治療方針について迷うコメントは非常に多く見られます。不妊治療はそもそも方針が様々で、使う薬や治療内容も少しずつ違うなど、内容自体が難しく、簡単に理解できるようなものではありません。私も不妊治療を始めた当初、ほとんど理解ができずに治療を進めてしまいました。今では多くの病院やクリニックが、治療についての説明会を開いたり、内容がわかるパンフレットを作ったりしていますが、それでもやはり、初めて聞く言葉ばかりで戸惑う方も多いでしょう。

 不妊治療は自費診療であるため、高額です。体外受精の費用は、Fineの2018年の調査によると、1回の治療に30万~50万円かかると答えた人は44%、50万円以上かかると答えた人は43%です。それだけの費用がかかるため、病院選びにも慎重になるのは当然と言えるでしょう。まして今のコロナ禍の状況において、病院選びはますます難しくなっています。

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松本亜樹子(まつもと あきこ)

NPO法人Fine理事長/国際コーチ連盟認定プロフェッショナルサーティファイドコーチ

 長崎市生まれ。不妊経験をきっかけとしてNPO法人Fine(~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~)を立ち上げ、不妊の環境向上等の自助活動を行なっている。自身は法人の事業に従事しながら、人材育成トレーナー(米国Gallup社認定ストレングス・コーチ、アンガーマネジメントコンサルタント等)、研修講師として活動している。著書に『不妊治療のやめどき』(WAVE出版)など。
Official site:http://coacham.biz/

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