教えて!ヨミドック
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どうして虫歯になるの?
菌が糖分分解 酸を出す
Q 歯が痛いよう。歯科医院に行かなきゃ。どうして虫歯になるんだろう。
ヨミドック 歯を虫歯にする細菌(虫歯菌)では、「ミュータンスレンサ球菌」が知られています。砂糖などの甘い物を栄養にして増殖し、粘着性のあるプラーク( 歯垢 )を形成します。わずか1ミリ・グラム(1000分の1グラム)のプラークに、約1億個、ミュータンスレンサ球菌を含めて約500種類もの細菌が潜んでいるとも言われます。
この菌は、甘い物を分解する時に酸を作り出します。歯はエナメル質や象牙質でできていて、酸に弱く溶けやすい。やがて虫歯になります。
Q 虫歯菌はいつ口に入ったの? 覚えがないんだ。
ヨ 生まれたばかりの赤ちゃんには、この菌がいません。虫歯菌を持っている周りの家族などが口移しで物を食べさせる時などに、唾液を通じて、入ると考えられています。
お母さんをはじめ、身近な家族の口内の状態を良くしておくことが重要です。虫歯があれば、しっかり治療して、菌を減らしておきましょう。
Q もうずっと前から、虫歯菌は口の中にいたんだね。虫歯になりたくない。どうしよう?
ヨ まずプラークを除去しましょう。マウスウォッシュなどの薬液で口の中をすすいでも除去できません。歯ブラシで丁寧にブラッシングすることです。歯を強くするフッ化物入りの歯磨き剤も活用しましょう。
歯ブラシの毛先が行き届かない歯と歯の間は、糸状のデンタルフロスや歯間ブラシなどで。日頃から口の中のケアを心がけてください。
Q 甘い物は、やめなきゃダメ?
ヨ なるべく減らしましょう。それと、だらだら食べたり飲んだりしないこと。甘い物の、口の中での“滞在時間”が長くなってしまいますからね。
歯を守るには、唾液の働きも大事ですよ。唾液には、抗菌作用のある物質や、溶けた歯を修復する成分も含まれています。唾液の分泌を促すためにも、食事の時はよくかみましょう。
(野村昌玄/取材協力=品田佳世子・東京医科歯科大学教授、田野ルミ・国立保健医療科学院主任研究官)
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