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近づく夏、「マスク熱中症」にご用心…気づかぬうちに脱水症状

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 夏本番を前に、新型コロナウイルスの感染対策としてマスクを着用することで熱中症の懸念が強まっている。熱が体にこもり、気づかないうちに脱水症状を起こす恐れがあり、専門家は「こまめに水分補給を」と注意を呼びかけている。(蛭川裕太、田辺里咲)

水分足りていると錯覚

 気象庁によると、15日午後1時の東京都中心の気温は26.5度で、6日連続で夏日になった。東京都豊島区の巣鴨地蔵通り商店街では14日、強い日差しの下、マスク姿の高齢者が行き交っていた。仕事帰りに立ち寄ったという足立区の清掃業の女性(74)は「先日、マスクをして買い物中に、暑くてめまいがした。それ以降、人が密集していない場所ではマスクを外すなど無理はしないようにしている」と話した。

マスクを着用して商店街を歩く人たち。気温が上がる中、熱中症が心配される(14日午前9時17分、東京都豊島区で)=冨田大介撮影

 政府の専門家会議が4日に提示した「新しい生活様式」では、外出時に会話する際などには症状がなくてもマスクを着用するよう求めており、当面はマスクが手放せない生活が続く見通しだ。気象庁によると、今年の夏は全国的に平年より気温が高くなると予想される。

 「マスクの着用で熱中症になるリスクは一段と高まる」と指摘するのは、熱中症予防に取り組む医師らでつくる「教えて!『かくれ脱水』委員会」委員長の服部益治・兵庫医科大特別しょうへい教授だ。

 マスクを着用すると、体の熱が放出されにくく、体内温度が上昇。一方、口の中は湿っているため、水分が足りていると錯覚して脱水症状を起こし、熱中症になる危険性があるという。特に今年は、新型コロナによる外出自粛で、体が暑さに慣れていないことも懸念材料だ。日頃から水分が不足しがちな高齢者や水分を蓄える筋肉の量が少ない子どもは注意が必要という。

運動時は「換気」と「距離」適切に

 マスクをつけての運動でも熱中症のリスクが高まることが懸念される。

 スポーツ庁は感染防止のため運動時のマスク着用を呼びかけている。大分県教育委員会は4日付で、子どもたちにマスクを着用させて体育の授業を実施するよう各県立学校に通知していた。しかし、中国でマスクを着けたまま体育の授業を受けた生徒が死亡したとの報道があり、熱中症も懸念されることから方針を転換。子ども同士の距離が十分にあり、換気が適切に行われていれば、着用は必ずしも必要ではないとする通知を7日付で改めて出した。

 熱中症の予防策について、服部特別招聘教授は、喉が渇いていないと感じてもこまめに水分を補給することや、首回りや手のひらの血流が多い部位を冷やすことなどが有効だと指摘。「夏にマスクを着用することは多くの人が経験がない。いつもの年以上に体の変化に注意し、こまめに休息を取るようにしてほしい」と呼びかけている。

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