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夫と腎臓とわたし~夫婦間腎移植を選んだ二人の物語 もろずみ・はるか

医療・健康・介護のコラム

コロナ延期はスポーツだけじゃない 移植手術を待つ人たちの不安

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透析を経ない「先行的腎移植」へ 毎日が勝負だった

 レシピエントの私も、いつも以上に、食事と体調管理に気を配った。透析を経ない「先行的腎移植」(以下、PEKT)を希望していたからだ。PEKTをすれば、移植腎の生着率、レシピエントの生存率が、透析を経てからのの腎移植より良好だとされているし、透析のためのシャント手術をする手間が省かれることは、私にとって大きなことだった。

無情な知らせにもあきらめないで

 腎移植は、そうした多くのプロセスを踏んで、初めて実現できる手術だ。簡単ではないからこそ、「延期」の知らせを受けた患者は、どれだけショックだったろうと思う。

 「(延期に)なってしまった以上、自分は待つことしかできない。でも、強くなったので大丈夫です。ここ数年で、いろんな経験はしてきているし、その中でもブレずに代表になれたので、揺らぐことはないです」

 これは、東京オリンピックに出場予定だったレスリングの川井梨紗子選手が、大会延期の知らせを受けて語った言葉だ。不安や動揺を振り払うように、今、自分がすべきことに集中する。そんな川井選手の姿を、私は、腎移植を待つ患者さんたちに重ねた。

 今日も食事制限を怠らない人。暑い中、透析に通う人。ファイト、ファイト……。天にも祈る気持ちだ。(もろずみはるか 医療コラムニスト)

監修 東京女子医科大学病院・石田英樹教授

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もろずみ・はるか

医療コラムニスト
 1980年、福岡県生まれ。広告制作会社を経て2010年に独立。ブックライターとしても活動し、編集協力した書籍に『成約率98%の秘訣』(かんき出版)、『バカ力』(ポプラ社)など。中学1年生の時に慢性腎臓病を発症。18年3月、夫の腎臓を移植する手術を受けた。

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