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中川恵一「がんの話をしよう」

医療・健康・介護のコラム

夫が一日1箱以上吸うと、妻の肺腺がんリスクは2倍に…日本の受動喫煙対策は「前世紀並み」

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飲食店の規制は厳しくなったが…

 この4月から、改正健康増進法と東京都受動喫煙防止条例が全面的に施行され、受動喫煙への規制が厳しくなりました。飲食店は原則、禁煙となりましたが、例外も認められ、全国の45%、東京都では84%の店が禁煙になります。

 飲食店の規制ばかりが話題になっていますが、「コンビニとたばこ」も切っても切れない関係にあります。コンビニの売り上げの約4分の1はたばこです。健康・自然志向をうたう店舗でも、公然とたばこが販売されている姿には正直、違和感を覚えます。

 日本も締結国の一つである「たばこ規制枠組条約」のガイドラインには、「たばこ製品の陳列と露出は、広告および販売促進に相当するため、禁止しなければならない」と規定していますから、コンビニでの店頭販売は大きな問題です。

 コンビニから灰皿を撤去しようという動きも広まりつつありますが、WHO(世界保健機関)からは、日本の受動喫煙対策は「前世紀並み」ときびしい指摘を受けています。

「タバコフリー・オリンピック」の実現を

 東京オリンピック・パラリンピックが1年延期されました。これを、「タバコフリー・オリンピック」の実現のためのチャンスととらえたいと思います。日本が世界に誇るコンビニが、模範を示してほしいものです。

 たばこは、新型コロナウイルスの感染症に関しても大きなリスク要因です。喫煙のとき、ウイルスの付着した手で口元に触れることは、感染のリスクを高める可能性があります。また、中国・武漢を中心に 感染患者1099人の臨床データを分析した研究では、喫煙者は人工呼吸器が装着される、あるいは死亡する危険性が、非喫煙者の3倍以上になることが明らかになりました。高齢や基礎疾患があることと比べても、重症化の最大のリスクであると報告されています。外出自粛と喫煙自粛(=禁煙)を同時に進める必要があります。(中川恵一 放射線科医)

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nakagawa-keiichi

中川 恵一(なかがわ・けいいち)

 東京大学大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。
 1985年、東京大学医学部医学科卒業後、同学部放射線医学教室入局。スイスPaul Sherrer Instituteへ客員研究員として留学後、社会保険中央総合病院(当時)放射線科、東京大学医学部放射線医学教室助手、専任講師、准教授を経て、現職。2003~14年、同医学部附属病院緩和ケア診療部長を兼任。患者・一般向けの啓発活動も行い、福島第一原発の事故後は、飯舘村など福島支援も行っている。

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1件 のコメント

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更なる受動喫煙対策賛成

煙アレルギー氏

受動喫煙について以前から困っていました。日本の団地では、窓と窓が接近しすぎて、近隣の喫煙が自宅に侵入してくるのです。旧公団住宅ではその傾向が特に...

受動喫煙について以前から困っていました。日本の団地では、窓と窓が接近しすぎて、近隣の喫煙が自宅に侵入してくるのです。旧公団住宅ではその傾向が特にあり、管理会社に言っても相談自体を悪く言われます。現在の新型コロナウィルス騒動を機に、皆さん是非禁煙されたし。自他ともに健康のために。

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