常喜眞理「女のココロとカラダ講座」
医療・健康・介護のコラム
血糖値は気にするが、多い“コレステスルー”…更年期女性多く、年に3キロ太ったら要注意!
48歳の女性Oさんは、健康診断の結果を持って相談に来た。初めて血糖値に異常値マークが付いたので、とても心配になったという。「糖尿病になったのでは」と慌てたようだった。
Oさんの健診結果を見せてもらうと、血糖値は102mg/dlで、Hb(ヘモグロビン)A1cという過去1~2か月の平均血糖値の状態をみる数値は5.6%だった。確かに異常値マークは付いているが、一般に病院で診察を受ける時に使われている基準範囲からすれば正常であった。病院での基準値は、血糖値が109mg/dl以下、HbA1cが6.2%以下である。
糖尿病を心配したOさん 実は…
では、どうしてOさんの健診結果に異常値マークが付いてしまったのだろうか。実は健診では、「糖尿病」の傾向を早めに知って、生活習慣を改善してもらおうと、基準値を厳しく設定しているためだ。病院の基準範囲に比べ、血糖値については10mg/dl低い99mg/dlまで、HbA1cは0.7%低い5.5%までとされており、病院での基準値とは結構な差がある。
Oさんは、健診で異常を指摘されたものの、病院の基準範囲からすれば糖尿病に関しては正常。他の数値に問題がないか、健診結果をすべて見せてもらうと、LDL(いわゆる悪玉)コレステロールが170mg/dlとかなり高値だった。
このLDLコレステロール値も、糖尿病の数値と同じように、健診では基準値が厳しくされている。病院基準値が139mg/dl以下なのに対し、健診基準値は119mg/dl以下と、これまた20mg/dlも低いのだ。ちなみに、健診の基準値でも、HDL(いわゆる善玉)コレステロール値、中性脂肪値に関しては、病院基準と変わらない。蛇足になるが、悪玉コレステロールと大腸の悪玉菌を混同されている方が結構多い。大腸の悪玉菌にも要注意だが、悪玉コレステロールは血管の詰まりとつながる。ややこしいが覚えておこう。
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