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今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」

医療・健康・介護のコラム

患者を苦しめる言葉「不定愁訴」 原因がない病はない 

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患者を苦しめる言葉「不定愁訴」 原因がない病はない

 みなさんは「不定愁訴」という言葉を聞いたことがありますか。愁訴つまり、患者が訴える症状が定まらない状態を言います。どちらかというと、少しマイナスイメージの言葉です。

 症状が、昨日はここ、今日はここ、明日は……というように移り変わるようであれば正しい表現でしょうが、「何となく、のどの違和感が続く」とか、「舌のヒリヒリした感じがとれない」という固定した症状であっても、詳しく検査して原因がわからなければ「不定愁訴」と言われ、原因は「メンタルの問題」や「自律神経失調症」とされることが往々にしてあります。

 どんなに頑固な症状で悩んでいたとしても、「原因不明」であれば医療者としても手の施しようがありません。ところが、私たちはここであることに気がつきます。「原因不明の病はあっても、原因のない病はない」と。

 当たり前のことですが、いくら現代医学が進んだと言っても、まだまだ人体は未知の領域にあふれています。原因不明とは、原因がないわけでなくて、「今のところ、原因を突き止めることができていない」というのが正確な表現です。頑固な症状で悩む人は、医療者からもさじを投げられた状態になってしまって、さらなる苦痛の深みに落ちていくことがあります。

 下のイラストのような症状に心当たりのある場合は、慢性上咽頭炎を疑った方が良いでしょう。

3年間で10以上の病名がついた

 28歳の頃から5年ほど、延々と続くせきに悩まされたHさんの話です。最初は、掃除の時にマスクをしていなかったのでホコリやカビを吸ったせいだと思っていましたが、それにしても空ぜきが止まりません。

 「軽い気管支炎かな」と思い、病院を受診し、抗生剤やせき止めなどの投薬を受けましたが、改善の兆しが見えません。人と話すとせき込むため、人づき合いも遠慮しがちになってしまいました。

 血液検査はもちろん、呼吸機能検査、レントゲンやCT撮影、消化管内視鏡、超音波検査など様々な検査を受けましたが原因がわかりません。それこそ、呼吸器内科や耳鼻咽喉科、消化器内科など多くの診療科を受診しました。

 その間、咳ぜんそく、逆流性食道炎、慢性気管支炎、副 ()(くう) 炎、気管支ぜんそく、機能性ディスペプシア、心因性 (がい)(そう) 、胸腺腫、アレルギー咳嗽、アレルギー性鼻炎などなど10以上の病名が付けられ、それらに対応した治療薬の処方を受けましたが、症状の改善はありませんでした。

 そして最終的に「メンタルなもの」と診断され、心療内科の受診を勧められたのですが、最後にもう一回だけ、身体的な問題がないか確認してもらおうと思い、私の所へ受診されました。

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今井 一彰(いまい・かずあき)

 みらいクリニック院長、相田歯科耳鼻科内科統括医長

 1995年、山口大学医学部卒、同大学救急医学講座入局。福岡徳洲会病院麻酔科、飯塚病院漢方診療科医長、山口大学総合診療部助手などを経て2006年、博多駅近くに「みらいクリニック」開業。日本東洋医学会認定漢方専門医 、認定NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長、日本加圧医療学会理事、息育指導士、日本靴医学会会員。

 健康雑誌や女性誌などに寄稿多数。全国紙、地方紙でも取り組みが紹介される。「ジョブチューン」(TBS系)、「林修の今でしょ!講座」(テレビ朝日系)、「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)、「ニュースウオッチ9」(NHK)、「おはよう日本」(同)などテレビやラジオの出演多数。一般から専門家向けまで幅広く講演活動を行い、難しいことを分かりやすく伝える手法は定評がある。

 近著に「足腰が20歳若返る足指のばし」(かんき出版)、「はないきおばけとくちいきおばけ」(PHP研究所)、「ゆびのば姿勢学」(少年写真新聞社)、「なるほど呼吸学」(同)。そのほか、「免疫を高めて病気を治す口の体操『あいうべ』」(マキノ出版)、「鼻呼吸なら薬はいらない」(新潮社)、「加圧トレーニングの理論と実践」(講談社)、「薬を使わずにリウマチを治す5つのステップ」(コスモの本)など多数。

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