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医療・健康・介護のコラム
コロナで延期される乳幼児健診、受けなくて大丈夫?…子どもの発育を自宅でチェックするポイント
<1歳6か月児健診> よくある質問「言葉が出ない」
1歳半になると、言葉を話し、自分で歩き始めます。赤ちゃんから幼児に変わっていく時期と言えます。この時期に健診を行うのは、発語や歩行などを確認するのが目的です。「一人で歩くことができるか」「積み木を2~3個積めるか」「鉛筆でなぐり書きできるか」「スプーンで食べられるか」「意味のある言葉をいくつか話せるか」「興味のあるものを指さしして示すか」などを確認しましょう。よくある質問は、「言葉が出ない」です。言葉が出ていなくても、言葉の理解ができていて(例:「ワンワンどれ?」に対して指をさせるなど)、表情が豊かで、他人への興味も育っている場合には、2歳頃までに言葉が出てくることが多いです。一方、言葉が出ないだけでなく、言葉の理解を含めた遅れがあったり、対人関係やコミュニケーション、行動面で気になる点があったりする場合には、小児科の受診をお勧めします。
「一人歩きしないが大丈夫か?」もよく聞かれる質問です。1歳6か月になっても一人歩きしないお子さんは時々います。一人歩き以外に気になる点(意味のある言葉を話さない、手が不器用など)もある場合には、発達を詳しく見る必要がありますので、受診をお勧めします。つかまり立ちまでできている場合には、家で立つ練習、歩く練習を、遊びの中で行っていただくことをお勧めします。なお、歩行器は事故の原因にもなり得るため、小児科医としてはお勧めしていません。
<3歳児健診> おむつ外れは個人差が大きい
3歳児健診の目的は、虫歯がないかのチェックと、発達の遅れがないかの確認です。チェックするのは、「名前が言えるか」「年齢が言えるか」「視線が合うか」「丸を描くことができるか」「階段を一人で上れるか」「3語文が出るか」「大小や色が分かるか」「虫歯の有無」「ままごとで役を演じられるか」といったところです。よくある質問に「おむつが外れないのが心配」があります。たしかに、他のお子さんができているのに自分のお子さんができていないと不安になることが多いですよね。ただ、おむつ外れは個人差が大きいので、焦らなくても大丈夫です。失敗しても怒らない、成功したら褒めながら、ゆっくりやっていきましょう。
「落ち着きがないけど発達に問題がないか?」もよく聞かれます。この時期は、通常のお子さんでも好奇心が強く、落ち着かない子は少なくありません。言葉の遅れがなくて、指示を理解して行動できる場合や、特定の場面でのみ落ち着きがない場合などは、心配ないでしょう。また、「少食・偏食」もよく相談されます。お子さんが食べないと、栄養など、将来の発達に影響があるのではないか、気になると思います。でも、基本的に、子どもが元気で順調に発育していれば、それほど心配する必要はありません。食事は、楽しい場であることがもっとも大切です。無理強いせず、親の期待通りに食べなくても落胆せず、焦らず気長に見てあげれば大丈夫です。
今回は、最近、延期や中止が相次いでいる乳幼児健診についてまとめました。保護者の皆さんの不安の解消に少しでも役に立てればと思います。同時に、感染症が落ち着き、少しでも早く、乳幼児健診が通常体制に戻ることを心から願っています。
- 参考文献:
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- 日本小児科学会「新型コロナウイルス感染症に関するQ&A」(2020年4月12日現在)
- 原朋邦(編).乳幼児健診のコツ.治療2017;99:2.
- 伊藤保彦,河野陽一,中西敏雄他(編).乳幼児健診 診察のポイント&保護者の疑問・相談にこたえる.小児科2017;58:9.
- 福岡地区小児科医会乳幼児保健委員会.乳幼児健診マニュアル 第5版:医学書院,2015
- 石和田稔彦,井田博幸他(編).乳幼児健診Q&A.小児科診療 2012;75:11.
- 平岩幹男「保護者の方に伝えたいこと」.平岩幹男ホームページ(参照2020/5/3)
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