文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

「教えて!ドクター」の健康子育て塾

医療・健康・介護のコラム

コロナで延期される乳幼児健診、受けなくて大丈夫?…子どもの発育を自宅でチェックするポイント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 新型コロナウイルス感染症の影響で不安が増す中、子育てを頑張っている保護者の皆さん、本当にお疲れ様です。ただでさえ子育てが大変なのに、外にも満足に出られず、お子さんも保護者も、心身の負担は大きいことでしょう。感染症の心配もありますが、小児科医としては、今の環境がお子さんや保護者にどのような影響を及ぼすのかも気になっています。

 さて、今、全国各地で「密を避ける」ために乳幼児健診が延期・中止になっています。世の中の多くの声も、「とにかく延期すべき」という印象です。

 実は、日本小児科学会では、短期間で以前の生活に戻れる見通しも立たないまま、予防接種や乳幼児健診を回避するデメリットは大きく、可能な限り保護者と実施者が協力して予定通りに実施すべきであると明言しています 1) 。また、実施にあたっては、極力、集団健診を個別健診に切り替えたり、電話による保健指導などの工夫をしたりしてください、とも述べています。それでも、多くの自治体で乳幼児健診が延期となっているのは、個別健診や電話での保健指導などの体制整備の余裕がないからかもしれません。

コロナで延期される乳幼児健診、受けなくて大丈夫?…子どもの発育を自宅でチェックするポイント

イラスト:江村康子

子育て相談だけの場ではありません

 ただ、今回の乳幼児健診にからむニュースを見ていて、「やるなら不安な人だけ行けばいい」という声があることに少し引っかかりました。乳幼児健診は、子育ての相談をするだけの場ではありません。ふと、「乳幼児健診の目的は、意外とわかりにくいのかもしれないな」と思いました。目的がイメージできないまま、2~3時間ほどかかるとなると(結構しんどいですよね)、健診はもはや、やり過ごすための儀式と化し、「果たして優先して行うべきもの?」となるのも理解できます。その一方で、保護者の中には、このまま健診を延期し、家でお子さんを見ていて大丈夫なのかと、心配な方もいらっしゃるのではとも思います。

 そこで今回は、健診の目的について、あらためて説明するとともに、家にいてもチェックできる簡単なポイントや、よくある質問についてお伝えしようと思います。なお、私たち「教えて!ドクタープロジェクト」では、生後3~4か月、6~10か月、10~12か月、1歳半、3歳の健診におけるチェックポイントをまとめた フライヤー を制作しましたので、詳細はそちらを参考にしてください。

発達の遅れ、病気をスクリーニング

 まず、乳幼児健診は何のために行うのでしょうか。目的は主に2点あります。一つは、発達の遅れがないか、病気が隠れていないかをスクリーニングすることです。これは全員に対して行います。その理由は、保護者が気づいていない問題を見つけ出すことが目的だからです。保護者自身に心配ごとがなくても、健診を受ける必要がある理由はそこにあります。

 もう一つの目的は、気になることの解消です。特にきょうだいがいる場合や、他のお子さんと一緒に遊ぶ機会などがある場合、どうしても発達などを比べてしまいがちです。「この子は発達が遅れているのではないか」と心配になるかもしれません。そうでなくとも、特に最初のお子さんなどでは、色々と気になることはあるものです。健診はそのような心配ごとを相談して不安を解消し、場合によっては病院受診につながる機会となっています。

 なお、健診を行う時期は、市町村では1歳半、3歳と決まっています。生後3~4か月での健診を行う自治体も少なくありません。加えて医療機関でも、生後1か月、6~8か月(10~12か月のことも)に行うことが多いです。なぜ、これらのタイミングで健診が行われ、どんなことがチェックされるのでしょうか。 1か月健診については以前お話ししました ので、今回は、それ以外について書こうと思います。

1 / 3

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

20190204-msakamoto-prof200

坂本昌彦(さかもと・まさひこ)

 佐久総合病院佐久医療センター・小児科医長
 2004年名古屋大学医学部卒。愛知県や福島県で勤務した後、12年、タイ・マヒドン大学で熱帯医学研修。13年、ネパールの病院で小児科医として勤務。14年より現職。専門は小児救急、国際保健(渡航医学)。日本小児科学会、日本小児救急医学会、日本国際保健医療学会、日本国際小児保健学会に所属。日本小児科学会では小児救急委員、健やか親子21委員。小児科学会専門医、熱帯医学ディプロマ。現在は、保護者の啓発と救急外来の負担軽減を目的とした「教えて!ドクター」プロジェクトの責任者を務めている(同プロジェクトは18年度、キッズデザイン協議会会長賞、グッドデザイン賞を受賞)。

「教えて!ドクター」の健康子育て塾の一覧を見る

<PR情報>

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事