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外出の親からか、子どもの感染が急増…10歳未満200人超

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 新型コロナウイルスの感染が、子どもにじわりと広がっている。10歳未満の感染者は200人を超え、その9割近くは4月以降に感染が判明した。休校期間が長引く中、仕事などで外出する親たちを介してうつる「家庭内感染」が少なくない。(安田龍郎、中川慎之介)

 ■東京が最多

 都道府県の発表を読売新聞が集計すると、10歳未満の感染者は4日時点で242人に上る。そのうち、東京の63人が最多で、大阪22人、愛知15人と続き、都市部が上位を占めている。

子どもたちが遊べないよう、立ち入り禁止のテープが幾重にも巻かれた公園の遊具(5日午後、東京都荒川区で)=三浦邦彦撮影

 国内で10歳未満の感染は2月21日に初確認された。北海道中富良野町の小学生と、中国・武漢市から政府チャーター機で帰国した埼玉県の未就学児の計2人で、3月末の時点では国内で30人以下にとどまっていた。

 だが、4月に入って急増し、12日に100人、25日に200人を超えた。週別では4月12~18日に68人に達し、減少傾向となったものの、5月に入っても複数の感染者が判明している。

 ■同じ学校でも

 ほとんどの学校は休校が続いて子どもは外出を控えており、保護者らから家庭内でかかるケースが多いとされる。ただ、同じ学校で複数の感染者が見つかったケースもある。

 富山市立小学校では、4月15~25日に同じクラスの児童やきょうだい計5人、教諭1人の感染が次々に判明した。臨時休校中だったが、始業式の6日と、教科書配布や授業をした8~10日には児童が登校していた。

 富山市によると、登校日には机の間隔を広げ、マスクの着用を徹底していたという。市は、児童や家族同士が校外で交流していたことなどから、「学校外で感染が広がった可能性が高い」と結論づけ、学校でのクラスター(感染集団)の発生を否定している。

 ■今後の注意点は

 緊急事態宣言は延長されたが、感染リスクを減らす分散登校などで学校を再開する動きも進むとみられる。今後の学校生活では、どんな点に注意するべきだろう。

 教室に体育館、音楽室、技術家庭科室……。学校には、子どもが頻繁に出入りしたり、共有したりする設備が多い。都内の小学校で校医を務める小児科医、川上一恵・都医師会理事は「先生らがこまめに机や椅子、ドアノブなどを消毒し、児童の手洗いやうがいを見届けることが大切だ」と説く。

 小学校低学年は「倦怠けんたい感」といった症状を言葉で伝えるのも難しい。先生や保護者が子どもの表情や行動に異変がないか注意を払い、察知する必要がある。

 一方、「手を洗わないとコロナにかかって死ぬぞ」といったように、恐怖をあおるような言動は慎まなければならない。川上理事は「先生たちが神経質になりすぎると、子どもは学校に行くのが怖くなる。それは本末転倒だ」と警鐘を鳴らす。

肺炎の症状なら受診を…小児科学会

 家で過ごす子どもの体調に異変が出た場合、親たちはどう対応するべきなのか。

 「発熱や乾いたせきがあり、鼻汁は比較的少ない。一部に嘔吐おうとや下痢も認められる」。日本小児科学会(東京)は、ホームページで子どもが新型コロナウイルスに感染した場合の症状の特徴を挙げている。

 医療機関の受診の目安について、厚生労働省は「37・5度以上の発熱が4日間以上」とする。だが、子どもは風邪でもこの基準に該当しかねず、かえって医療機関で感染するリスクもある。同学会は「呼吸数が多い、呼吸が苦しいなど、肺炎を疑う症状がなければ受診は勧めない」という。

 また、発症しても、軽症ならば自宅か宿泊施設などでの療養が望ましい。同学会理事で、長崎大の森内浩幸教授(小児感染症)は、「子どもの重症化リスクは高くない。親が過敏になってストレスを与えないように気をつけ、子どもの心身を守ってほしい」と話す。

 ただ、国内では乳児が重症化したケースも報告されている。森内教授は「親の目から見て明らかに気になる症状があれば、まずはかかりつけ医に電話するなどしてほしい」としている。

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