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新型コロナ専門家会議が提言した「新しい生活様式」、ポイントを解説

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 新型コロナウイルス対策を検討する政府の専門家会議は4日、感染予防のため、市民にそれぞれ取り組んでほしい「新しい生活様式」の実践例を公表した。感染がいったん落ち着いても、再び流行が起きる恐れがあり、長丁場の対応が求められているためだ。

一人一人が感染防ぐ

 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が4日に公表した提言の要旨は次の通り。

 ■現状の評価

 現在、全都道府県が緊急事態宣言の対象とされている。対象地域は、感染の状況、医療提供体制などを踏まえ、政府において総合的に判断されるものである。

 感染状況は、新規感染者数、累積感染者数、近隣都道府県の感染状況などで判断する。医療提供体制については、院内感染の制御、一般医療への影響、重症・重篤例の診療体制などが考慮される。

 直近3週間の新規感染者数を見ると、4月12~18日が3620人、4月19~25日が2791人、4月26日~5月2日が1630人だった。市民の行動変容が成果を上げ、全国的に新規感染者数は減少傾向にあると推測できる。

 しかし、全国の累積感染者数は、5月2日現在で1万4839人に上り、いまだにかなりの数の新規感染者数を認めている。新規感染者数が増加し始めた3月上旬や、オーバーシュート(爆発的な患者急増)の兆候を見せ始めた3月中旬の水準を下回っておらず、感染拡大が当面起こり難い程度にまで、取り組みを継続する必要がある。

 人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO=エクモ)を要する重症患者は、4月27日頃をピークとして、減少傾向に入ったことがうかがわれるが、引き受ける医療機関への負荷は、現状でもぎりぎりの状況にある。

 地域や全国で再度感染が拡大すれば、医療提供体制へのさらなる負荷が生じる恐れがあり、当面、現在の枠組みを維持することが望ましい。専門家会議では、1~2週間程度経過した時期に、最新の感染状況を踏まえた分析を行う。

 ■新しい生活様式

 今回の提言は1日の提言を踏まえ、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を具体的にイメージできるよう、日常生活で取り入れてもらいたい実践例を整理した。

 飛沫(ひまつ)感染や接触感染、さらには近距離での会話への対策をこれまで以上に取り入れた生活様式を実践していく必要がある。従来の生活では考慮しなかったような場においても感染予防のために行うものだ。

 今後、感染拡大の予防と社会経済活動の両立を図るには、業種ごとに感染拡大を予防するガイドラインなどを作成し、業界を挙げてこれを普及し、創意工夫しながら実践することを強く求めたい。

 事業者は、従業員や顧客の動線、接触などを考慮したリスク評価を行い、対策を検討する。接触感染のリスク評価としては、他者と共有する物品や手が触れる場所と頻度を特定する。高頻度接触部位(テーブル、ドアノブ、タッチパネルなど)には特に注意する。飛沫感染では、換気の状況を考慮しつつ、人と人との距離がどの程度維持できるかや、大声を出す場がどこにあるかなどを評価する。

 緊急事態宣言に基づき、国民の自由と権利に制限が加えられる時であっても、その制限は必要最小限でなければならない。

 地域の感染状況や医療提供体制の確保状況などを踏まえながら、社会的に重要な事業や活動、感染リスクの低いところから、十分な感染対策を講じた上で段階的に再開することを検討すべきだ。この際、人の接触が増加することでの感染拡大の可能性を十分想定しておくことが求められる。

 必要以上の市民生活への犠牲を強いることのないようにしていくことも重要であり、専門家会議では適宜、状況分析を行うとともに、必要な提言を政府に対して行う。

 ■PCR検査

 日本のPCR検査数は、単純な比較はできないものの、他国より明らかに少ない状況にある。一方、検査陽性率は十分に低く、潜在的な感染者を捕捉できていないわけではないと考えられる。

 いずれにせよ、3月下旬頃からの感染者急増に十分に対応できなかったこと、予期せぬ重症化例が報告されていることなどを踏まえれば、検査をさらに拡充し、より早期の診断と適切な医療につなげることが重要だ。

 感染の疑いがある者に対する検査拡充が喫緊の課題になってきた。迅速かつ確実に検査を実施できる体制に移行するためには、▽保健所の体制強化▽地域外来・検査センターのさらなる設置▽検査実施者の感染防護具の確実な調達――などの対応が求められる。

業種ごとの指針作成留意点

 専門家会議は、業種ごとに感染拡大の予防のためのガイドライン(指針)を業界団体が作成することを求めている。

 作成にあたって各業種に共通する留意点として、人との接触を避け、距離を確保するほか、入場者の整理、入り口や施設内の手指の消毒設備の設置、マスクの着用、施設の換気・消毒を挙げた。発熱やせきなどの症状がある人は入場しないように呼びかけることは、施設内での対策としては最も優先すべき対策だ。状況によっては、発熱者を体温計などで特定し入場を制限することも考えられる。

 トイレや休憩スペースは、感染リスクが比較的高いと考えられるため留意する。

 ◆事業者が実施する主な感染予防策◆

▽密にならないよう、入場者を整理する

▽複数の人が触れる場所を消毒する

▽人と人が対面する場所は、アクリル板やビニールカーテンなどで仕切る

▽トイレのハンドドライヤーはやめ、共通のタオルは禁止する

一人ひとりの基本的感染対策

〈1〉人との間隔は、できるだけ2メートル(最低1メートル)空ける

〈2〉症状がなくてもマスクを着用

〈3〉手洗いは30秒程度かけて水とせっけんで丁寧に洗う

日常生活を営む上での基本的生活様式

〈1〉まめに手洗い、手指消毒

〈2〉せきエチケットの徹底

〈3〉こまめに換気

〈4〉身体的距離の確保

〈5〉「3密」回避

〈6〉毎朝、体温測定し、健康チェック

日常生活の各場面別の生活様式

◆買い物◆

 通販も利用。

 買い物に行く際は、1人か少人数ですいた時間に。電子決済の利用。計画を立てて素早く済ます。サンプルなど展示品への接触は控えめに。レジに並ぶ時は、前後にスペース(2メートル以上空けるのが望ましい)を取る。

◆スポーツ◆

 ジョギングは、少人数で行う。筋トレやヨガは、自宅で動画を活用する。

 

◆公共交通機関◆

 公共交通機関を利用する時には、会話は控えめにする。混んでいる時間帯を避けたり、徒歩や自転車の利用を考えたりする。

 

◆公園◆

 公園に行くなら、すいた時間、場所を選ぶ。

◆食事◆

 大皿料理を避けて、料理は1人ずつ分ける。自分の箸からウイルスを広げてしまう恐れがあるからだ。

 会話は、感染の原因になる飛沫が飛ぶ可能性もある。料理に集中し、おしゃべりは控えめに。対面ではなく横並びで座ろう。持ち帰りや出前、配達も。

働き方の新しいスタイル

〈1〉テレワークやローテーション勤務

〈2〉時差通勤

〈3〉会議や名刺交換のオンライン化 など

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