
病室の患者らを励ますため、「パプリカ」の曲にあわせて踊った南医療生協の組合員たち(南生協病院提供)
院内感染の防止に挑む南生協病院(名古屋市)には、心強い味方がいた。病院の危機に、母体の南医療生活協同組合が動いた。
「えらいこっちゃ」。入院患者の感染が発表された翌日、3月1日朝。愛知県半田市の杉浦直美さん(57)は、車で病院に向かった。9万2000人いる組合員の一人だ。外来や新規入院が中止になった病院に入っていく、職員の緊迫した表情を目で追った。

病室の窓に掲げられた言葉(南生協病院提供)
「クルーズ船の人はつらかったろうな」。一人が、そう口にした。そこにいた全員が、2月、数週間にわたって横浜港に停泊した「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客に、入院患者たちの姿を重ねた。
杉浦さんたちは、病院と同じ建物内にある南医療生協本部の「地域ささえあいセンター」と一緒に知恵を出しあい、行動した。
まず、患者にはがき大のメッセージカード300枚を届けた。「夜は必ず明けます 一緒に乗り越えましょう」「こんな時だから笑顔を忘れずに」。院内放送でも励ます言葉を流した。
4日には、患者の注文品を病棟に届けるワゴン販売「よろずや みなみ」が始まる。アイスクリーム、缶コーヒー、カミソリ、のどあめなどの注文が相次いだ。患者本人の希望を直接書いてもらう「何でも言ってちょカード」も配った。
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