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田村専門委員の「まるごと医療」

医療・健康・介護のコラム

新型コロナ 介護崩壊を防ぐには

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人手不足の現場に感染拡大が追い打ち

新型コロナ 介護崩壊を防ぐには

 「新型コロナウイルスの集団発生が飛び火し、特に通所介護事業所はどこも戦々恐々としています」「医療崩壊と介護崩壊が現実味を帯びてきています」――。

 関東地方の地域包括支援センターに勤める介護支援専門員の方からお手紙をいただいた。数年前、医師不足による病院の統廃合をめぐって、医療関係者や地域の住民らに取材して歩いた際に話を聞いた方で、手紙の日付は東京など7都府県に緊急事態宣言が出された4月上旬。近隣の自治体の施設で集団感染が発生したことが影響し、介護サービスの利用者が感染を心配して施設の利用を見合わせたり、逆に事業者側が利用を控えてほしいと求めたりする状況が起きているという。

通所介護の機能不全が訪問系への負担増へ

 通所介護が機能しなくなると、訪問介護や訪問看護に負担がかかるが、感染の不安は一緒。感染のリスクを嫌って介護の仕事から離れる人も出てくるだろうという。そうでなくても、この業界はどの職種も人手不足で大変なのに。

 発熱の症状を訴え、医療機関をたらい回しにされた人から「どうしたらいいでしょう」と相談されても、具合が悪い人は医療機関で診てもらうしかなく、介護でどうなるものではない。医療崩壊と介護崩壊が現実味を帯びてきています――。手紙は切々と訴える。

休業はしていないけれど……

 こういった状況は一部の地域だけの問題ではない。高齢者福祉が専門の高野龍昭・東洋大学ライフデザイン学部准教授は4月30日、東京・千代田区の日本記者クラブで記者会見(オンライン)し、新型コロナウイルス感染症が広がるなかでの介護現場の逼迫(ひっぱく)した状況を説明した。

 厚生労働省のまとめ(4月20日報告分)によると、47都道府県の事業所数に占める休業中の事業所数の割合は、通所系・短期入所系が約7万5000か所のうち約850か所で1.13%、訪問系が約9万か所中の約50か所で0.05%だった。しかし、高野氏によると、1日当たりの定員やサービス提供時間、支援の内容を減らしたり、新規の利用者の受け入れを停止したりと、休業はしていないけれど、業務を「縮小」している事業所が多数あるとみられ、むしろ通常業務を継続している事業所は少数ではないかという。

 背景には、介護サービスは限られた屋内での活動がほとんどで「3密」が避けられないことや、医療職に比べ専門的な感染症対策に慣れておらず設備や備品も不十分なこと、重症化するリスクの高い持病を持っている人や、認知症のために自分で感染予防をすることが困難な人が多いなどの、介護現場が持つ事情がある。

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田村 良彦(たむら・よしひこ)

 読売新聞東京本社メディア局専門委員。1986年早稲田大学政治経済学部卒、同年読売新聞東京本社入社。97年から編集局医療情報室(現・医療部)で連載「医療ルネサンス」「病院の実力」などを担当。西部本社社会部次長兼編集委員、東京本社編集委員(医療部)などを経て2019年6月から現職。

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介護の現状

モコモコ

私は、介護福祉士で通所介護施設に勤務しています。1日約20人前後の方々が通っています。同じ室内で何時間も一緒に過ごします。施設内では消毒や手洗い...

私は、介護福祉士で通所介護施設に勤務しています。1日約20人前後の方々が通っています。同じ室内で何時間も一緒に過ごします。施設内では消毒や手洗いなどの声かけを行い、マスク着用をお願いしています。がマスクを外してしまう方が多く、家族さんは着けてほしいというのですが、認知症などの症状もあり難しい状態です。マスクをしまってしまったり、自分のではないと言われるかたもいて困っています。私の家には一歳半になるこがいます。まだ言葉も話せないので、熱が出たりするとすぐ保育園から連絡があり帰され、熱が下がっても、24時間たってからの登園になりますと言われました。子供を1人でおいては行けず休まざるおえません。学校が休校になり、人がいないのに休まないと行けない。でも、もし自分の子供が感染していたらと思うと怖くて、仕事にも行けません。休んだ分の収入は減り、食費や医療費がかさみます。介護職の補償も考えて欲しいです。会社に支援金を出しても、私たちには中々届きません。現場で働いてる人が不安なく働けるような支援をお願いします。

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