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宋美玄のわーままクリニック

妊娠・育児・性の悩み

立ち会い出産や面会ができない施設も…情報少ない「コロナと妊娠・胎児」 感染予防は念入りに

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 新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大し、日本でも緊急事態宣言が発出中です。コロナウイルスに感染するかどうか、不安に感じる傍ら、休校中の子供の心身の健康や学習、仕事や経済的なことなど、間接的な影響に悩まされている方も多いと思います。中でも、がんなどの病気で闘病中の方や、妊婦さんなど、普段から医療機関を利用している人の不安は大きいと思います。

毎日聞く不安の声

 

立ち会い出産や面会ができない施設も…情報少ない「コロナと妊娠・胎児」 感染予防は念入りに

 私のクリニックでも、かかりつけの妊婦さんたちの不安の声が、毎日聞かれます。妊娠した時は、まさかこんな未知の感染症が世界中で流行するとは思ってもみなかったでしょうから、無理もありません。妊婦さん1676人に、新型コロナウイルス感染症による妊娠・出産への影響について聞いたアンケート(ニンプスラボ・河合蘭共同調査)では、「妊婦さん向けの新型コロナウイルス感染症に関する情報の量は十分だと思いますか?」の質問に、93.3%が「少なすぎる」と答えています。新型コロナウイルス感染症そのものについての情報は、玉石混交とはいえ、日々更新されていきますが、「妊娠とコロナウイルス」に関する情報は不十分と感じている方が多いようです。

まだ分かっていない「胎児への影響」

 現在、報告されている限りでは、妊婦だから重症化しやすいということは、特になさそうだとされていますが、「妊婦が感染した場合、胎児に感染するのか」「胎児が感染した場合、長期的にどういう影響があるのか」といったことは、まだ分かっていません。特に、妊娠初期、胎児の体が作られ、薬や放射線などの影響を受けやすい時期に新型コロナウイルス感染した場合、何らかの先天異常のリスクがあるのかについては、全く分からない状態です。

 どこを探しても確定的な情報はなく、「極力、かからないに越したことはない」ということしか、現段階では言えないと思います。

 職場ではリモートワークや、場合によっては休業するなど、家から出なくてもすむよう最大限の配慮をしてもらい、家庭内でも手洗いやドアノブの消毒などをしてください。もちろん、可能な範囲で大丈夫です。

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宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。

1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら

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