今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」
医療・健康・介護のコラム
虫歯で突然死?! あのアメリカ大統領も…
さて質問です。次の人物を当ててください。
アメリカでとても人気のある大統領。ラシュモア山に彫像がある。かわいいクマのぬいぐるみの名前の由来にもなった。さて、誰でしょう。
答えの前に今回は、病巣疾患の歴史について記します。
前回もお話ししたように、病巣疾患とは「ほとんど症状のない慢性炎症を起こしている原病巣が、それとは関係ない遠隔臓器に二次性の病気を引き起こす病態」と定義されます。このような、原病巣と遠隔臓器の奇妙な関係は昔からよく知られていました。
医聖と言われる古代ギリシャのヒポクラテスやアメリカ建国の父の一人で、医師でもあったベンジャミン・ラッシュも虫歯と関節炎の関係について記しています。1900年前後にはアメリカで、 扁桃 や歯の炎症が全身の病気を引き起こすのだとの説がブームになった時期があったほどでした。昔から、命の入り口と全身の健康について研究していた人たちがいたんですね。免疫学が発達した今では、慢性的に続く小さな炎症が腎臓や皮膚、自己免疫など様々な病気を引き起こすことが分かっています。
図に示したこれらの病気が、慢性扁桃炎や副 鼻腔 炎、歯周病といった鼻や口の慢性炎症から起こるのですから、ありふれた病気と侮ることが出来ません。
1 / 2
【関連記事】
※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
※個人情報は書き込まないでください。