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今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」

医療・健康・介護のコラム

関節炎と皮膚炎に悩む50代女性 「炎」との「縁」どう断ち切った?

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炎症と縁を切るには原病巣を治す

 Mさんの「炎」は原病巣がとりもった「縁」ですから、それぞれを治療するためには原病巣の治療が最重要になります。それでは、その原病巣はどこにあるのでしょうか。

 原病巣の分布ですが、なんと口と鼻、喉で90%を占めると言われます。そうです、このコラムのテーマでもある「命の上流」ですね。原病巣を効率よく探すには、口周りを探した方がいいのです。

 ということで、Mさんのお口をのぞいてみると……。

 左下あごの奥歯が治療中のようで、歯肉の周囲が炎症を起こしています。本人もその歯からウミが出てくるのがなかなか治らないといいます。ここに原病巣がありそうです。

 歯科医院で詳しく見てもらうと、 ()(こん)(のう)(ほう) といって歯の根っこに膿の袋があることが分かりました。小さな炎症であっても、体には大きな反応として返ってくることがあります。ですから、たかが歯の根っこの炎症と軽視できません。すぐに治療したいのは山々ですが、治療は簡単にいかず、手術が必要だというのです。

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歯の根っこの炎症を手術で治して1年後のMさんの手のひら

歯の根っこの炎症を手術で治療

 すこし (ちゅう)(ちょ) したMさんでしたが、私が「思い切ってやりましょう。病気の根っこを退治しましょう」と進言し、ご本人も承諾されました。手術後は、うまくかめなかったり、別の歯を抜いたりと大変でしたが、何とか首尾よく行きました。

 それが功を奏して、関節リウマチの数値は改善し、皮膚炎や関節炎といった症状からも解放されました。1年ほど経過を追った後、Mさんの受診が終わりました。薬の処方もありません。

 現状報告の電話があったときに、「最近はボクササイズしていますよ」と元気な声を聞くことができました。あの痛々しいMさんが脳裏によみがえりましたが、それがいまやボクシングかと、思わず笑みがこぼれました。こんな症状報告を一つでも増やしていきたいものですね。

 「なんとか炎」に縁のある人は、原病巣を探してみることをお勧めします。思わぬ所に原因が潜んでいるかもしれません。その際もまず「命の上流」からですよ。(今井一彰 みらいクリニック院長・内科医)

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今井 一彰(いまい・かずあき)

 みらいクリニック院長、相田歯科耳鼻科内科統括医長

 1995年、山口大学医学部卒、同大学救急医学講座入局。福岡徳洲会病院麻酔科、飯塚病院漢方診療科医長、山口大学総合診療部助手などを経て2006年、博多駅近くに「みらいクリニック」開業。日本東洋医学会認定漢方専門医 、認定NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長、日本加圧医療学会理事、息育指導士、日本靴医学会会員。

 健康雑誌や女性誌などに寄稿多数。全国紙、地方紙でも取り組みが紹介される。「ジョブチューン」(TBS系)、「林修の今でしょ!講座」(テレビ朝日系)、「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)、「ニュースウオッチ9」(NHK)、「おはよう日本」(同)などテレビやラジオの出演多数。一般から専門家向けまで幅広く講演活動を行い、難しいことを分かりやすく伝える手法は定評がある。

 近著に「足腰が20歳若返る足指のばし」(かんき出版)、「はないきおばけとくちいきおばけ」(PHP研究所)、「ゆびのば姿勢学」(少年写真新聞社)、「なるほど呼吸学」(同)。そのほか、「免疫を高めて病気を治す口の体操『あいうべ』」(マキノ出版)、「鼻呼吸なら薬はいらない」(新潮社)、「加圧トレーニングの理論と実践」(講談社)、「薬を使わずにリウマチを治す5つのステップ」(コスモの本)など多数。

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