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医療・健康・介護のニュース・解説

発症から陽性確定までに3回も受診 高齢家族への感染恐れ、自主的に隔離施設に

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 新型コロナウイルスに感染し、軽症だったことから隔離施設に入所している患者が、ヨミドクター編集部の電話インタビューに応じた。発熱からPCR検査を受けるまでに約2週間かかったことや、同居する高齢の家族への感染を心配して自ら隔離を望んだこと、入所施設での生活状況などについて語ってくれた。

肺炎の兆候あってもPCR検査受けられず

 患者は神奈川県に住む60歳代の男性で、飲食業を営んでいる。3月31日、同居の80歳代の母の定期通院に付き添って帰宅した後、寒けや熱っぽさを感じた。新型コロナがはやっている時期であることから、その日から仕事を休んで自宅で過ごしていたが、症状が治まらず、週末の金曜日に最寄りの保健所に電話したところ、近くのクリニックを受診するように言われたという。

 男性はクリニックでエックス線検査などを受けたが、肺炎の兆候はないということで、解熱剤を処方された。しかし、薬を飲むと熱は36度台に下がるものの、薬が切れると38度台まで上がってしまう。週明けの月曜日(4月6日)に再び同じクリニックを受診。CT(コンピューター断層撮影法)検査で肺炎の兆候が見られるということで、PCR検査を受けるよう、医師が保健所に電話をしてくれた。ところが、医師がけんけんごうごうと検査の必要性についてやりとりする様子が聞こえたあげく、保健所の判断で結局、検査は受けられなかった。

 男性は再び自宅療養を続けることになったが、味覚障害も感じるようになったことから、金曜日(10日)に3回目の受診。息苦しさなどの症状はなかったものの、CT検査で肺炎の兆候がやや進んでいると言われた。医師は、今度は保健所を通さずに直接、PCR検査を行っている指定医療機関を紹介してくれ、その日のうちに検査を受けた。他の人に接触しないよう、院内には入らず、自家用車に乗ったまま検体を採取されたという。

検温の結果などをLINEで連絡

 「陽性」との結果が、病院からの電話で伝えられたのは週明けの月曜日の13日。ほどなく保健所からも連絡があった。その頃には発熱の症状もなかったため、自宅療養を指示されたが、同居の母親への感染が心配だったため、県が軽症患者の隔離施設として確保した湘南国際村センター(葉山町)への入所を希望。手続きはスムーズに進み、15日に入所した。クリニックの医師が機転を利かしてくれなかったら、「いまだに検査を受けることができなかったかも」と振り返る。

 センターまでは、防護服を着た2人のスタッフが救急用の車で搬送してくれた。自宅の前に駐車すると近所に目立つからと、少し離れた場所に車を止めるなど配慮してくれた。

 入所後は原則、一日中、部屋の中で過ごしている。朝夕2回、検温した結果などを担当者に連絡する。血中酸素濃度を測る装置は室外にあるため、アルコール消毒で気をつけながら測定する。最初は電話で伝えていたが、今はLINEのアプリを使って伝えている。直接話したい場合には、担当者と電話で連絡を取ることもできる。

できるだけ顔を合わさないよう気を使い

 食事は3食とも、エレベーターホールに置かれたものを自分で取りに行く。電子レンジもおいてある。お弁当のほか、朝はパンも出るようになった。食事が置かれたことは施設内アナウンスで知らされるが、男性はできるだけ他の入所者と顔を合わさないよう、室外の人の気配を気にしつつ、アナウンスからしばらく遅れて部屋を出るようにしているという。

 洗濯用洗剤は支給されているが、男性が洗濯したのはこれまで1回だけ。数着の下着類や普段着のほか、暇つぶしのためにタブレット端末や本を持参した。入所前に、こんなものがあったら便利といった情報がもっとあれば良かったと思う。

 勤務先のスタッフやお客さんが感染していないかが気がかりだったが、発症から2週間あまりたった今も、その知らせはないため、一安心している。

 現在の心配事は、いつ隔離施設を出られるのか。月末に大切な仕事があり、入所から2週間ということであればぎりぎり間に合うので、できれば早く退所したいという。「自費でもいいのでPCR検査を2回受けて、早めに退所できないものか」と頭を悩ませている。

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