文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

「死にたい」に寄り添うには…松本俊彦氏に聞く

インタビューズ

「死にたい」に寄り添うには(4)増える未成年の自殺 衝動…思いついてから1時間ぐらいで

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

「もう世界が終わった」って…

id=20200415-027-OYTEI50011,rev=2,headline=false,link=true,float=left,lineFeed=true

――自殺者は10年連続で減りましたが、年代別では唯一、未成年が前年より増えました。これは深刻な問題ですね。

 年齢が若ければ若いほど、成人よりも低い水準の苦痛で死にたいと思うのです。なぜなら、やっぱり人生の選択肢というか、逃げ道に関する情報を持ってないから。

 小学校4年生ぐらいまでは、家庭が世界のすべてだと思うんですよね。高校1年ぐらいまでは、学校が世界のすべて。そこでドン詰まっちゃって、「もう世界が終わった」って思っちゃう子はけっこういると思うんです。

 もちろん、子ども時代にいじめを受けて、その時はつらかったけど、なんとか生き延びて、今、社会で成功されている方はたくさんいると思います。子ども時代を振り返って、「いろいろあったけど、あれがあったから、今の自分がいるんだよね」というふうに、肯定的に思えている人はたくさんいると思う。でもそれは、たまたま運がよかったわけで、やっぱり、そこでドツボっちゃう子たちもいるんですよね。もう世界が終わった、と思って。

 じゃあ、ドツボらない子はどんな子なのか。もちろん能力があったり、いろんな情報を持っていたり、たまたま周りに、子ども時代にうまくいかなかったことがあるけど生き延びた大人に出会っていたりとかね。そういうのがなければ、ドン詰まっちゃう子がいてもおかしくない。しかも、子どもは結構、自殺行動を衝動的に行うので、ネガティブなイベントがあってから行動を起こすまでの期間が、短かったりするんですよね。だから、周りが止めに入れない。思いついてから1時間ぐらいでやってる、という報告もあるぐらいで。それに比べれば、大人は迷っている時間があるんです。(松本俊彦 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部長)(続く)

松本 俊彦(まつもと・としひこ)
 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所薬物依存研究部長
 1993年、佐賀医科大学(現・佐賀大医学部)卒。国立横浜病院(現・国立病院機構横浜医療センター)精神科、神奈川県立精神医療センター、横浜市立大学病院精神科、国立精神・神経センター(現 国立精神・神経医療研究センター)精神保健研究所自殺予防総合対策センター副センター長などを経て、2015年から現職。17年から国立精神・神経医療研究センター病院薬物依存症センター長を兼務。日本アルコール・アディクション医学会理事、日本精神科救急学会理事。主な著書に『自分を傷つけずにはいられない』(講談社)、『薬物依存症』(ちくま新書)、『「助けて」が言えない』(日本評論社)など。

2 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

interviews

インタビューズ
 

インタビューズの一覧を見る

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

「死にたい」に寄り添うには…松本俊彦氏に聞く

最新記事