文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

常喜眞理「女のココロとカラダ講座」

医療・健康・介護のコラム

自分だけ希望の部署に配属されずに涙…新入社員が落ち込む季節です

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 新入社員の研修が行われる季節。新人たちは緊張に包まれ、約2~3週間、慣れない生活が続く。「もう学生ではない」という自覚のもと、新しい人間関係、職場環境に置かれ、ストレスも多く、毎年体調を崩す人が出てくる。その日も、午前中に人事部の担当者から電話があった。

「電子レンジにメールが次々と来る!」

 新入社員研修中のEさんの様子がおかしい、今朝、出社しないので連絡したところ、「電子レンジにメールが次々と来るので部屋から出られない」と言って泣いているとのことだった。

 地方から上京し、会社の寮に滞在して研修を受けているとのことなので、実家の親御さんに連絡し、人事部の担当者に付き添ってもらって精神科を受診してもらった。統合失調症を発症していた。Eさんにとって実際に見えてしまうもの、聞こえてしまうものにおびえ、さぞ怖く苦しかっただろう。

 統合失調症の患者は約100人に1人弱とされ、特殊な病ではない。10歳代後半から20歳代に初めて症状が出ることが多いと言われる。精神的、経済的に自立する時期に多いようだ。Eさんの場合も、社会人として自立しなければならないという気持ちや緊張と、慣れない生活が引き金になったようだった。

発症後は手厚いサポートが必要

 統合失調症は、専門医を受診し、適切な治療と生活環境があれば、普通に社会生活を送れる方も多い。しかしながら、発症後はしばらく、手厚いサポートが必要である。

 母親の話によると、Eさんは学生時代、サークルでバンドのボーカルをしていたり、交友関係も広く、明るいお嬢さんであるということだった。あまりにもおびえきった様子に、ご両親も心を痛め、いったん、親元で生活をすることとなり、退社した。

1 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

joki-mari

常喜 眞理(じょうき・まり)

 家庭医、医学博士
 1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医、内科学会認定医、日本医師会認定産業医。院長を務める常喜医院(内科、皮膚科)での診療のほか、慈恵医大新橋健診センターでは診療医長として健康診断(人間ドック)の内科診察を行い、婦人科や乳腺外科の診断を担当する。様々な大手企業の産業医でもあり、職場におけるメンタルヘルスのサポートを長年行っている。著書に「オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方」(すばる舎)。現在、BS-TBS「Together」に準レギュラー出演中。

常喜眞理「女のココロとカラダ講座」の一覧を見る

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事