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【米国報告 パンデミックで際立つ命の格差】(上)「スーパー店員の死亡が増えている」…報道の深層

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 「スーパーマーケットの店員が、新型コロナウイルス感染により亡くなり始めている」。そんな記事が、地元紙「ワシントン・ポスト」に掲載されたのは4月7日のことでした。あぁやっぱりなぁ、とため息が出ました。このままで社会を維持できるのだろうか、と空恐ろしくなると同時に、すでに報道されていた医療機関や老人ホームだけでなく、アメリカの低賃金労働の代表格であるスーパーでの感染、死亡が始まったことに、「格差」をひしひしと感じずにはいられませんでした。

役所窓口も閉鎖 外出禁止令の1か月

 私が暮らすワシントンD.C.地域(ワシントンD.C.市と隣接する2州)で、最初の感染者が確認されたのは3月5日でした。その後、翌週末にはレストランが、次いで月曜日には全公立学校が閉まりました。さらに、生命と社会を維持するために必要最低限の基幹ビジネス以外は全て休業となり、3月末には、1市2州同時に外出禁止令が出されました。

 この間、連邦政府は、手洗いの励行と同時に、“Social Distancing(社会的距離)”戦略として、人と人との間に6フィート(2m弱)以上の距離をとることを、繰り返し呼びかけています。許されている数少ない外出であるランニングやウォーキングについても、人と人との距離を6フィート以上あけるよう注意を促す看板が設置されています。スーパーマーケットについても、密集を避けるために入場人数を制限し、外で待つ間も6フィート以上の距離をとるよう地面に目印となるシールやテープが貼られている状況です。

【米国報告 パンデミックで深まる命の格差】(上)「スーパー店員の死亡が増えている」報道の深層

ランニングやウォーキングでは、人との距離を6フィート以上あけるよう促す看板

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スーパーの前で待つときにも、間隔をあけるよう目印のマークが

 役所の対面窓口も閉まっています。アメリカでは失業給付や補充的栄養支援プログラム(フードスタンプ)などの公的給付が、もともとオンラインで申請できるようになっており、今はインターネットと電話に限って受け付けています。

 米国政府は失業給付の支給対象を広げ、フリーランスやウーバードライバーなど請負労働者に対する補償も行っています。所得に応じて1人最大1200ドルとなる緊急給付も、確定申告の登録銀行口座に自動的に振り込まれることになっています。暮らしに困った人が、感染リスクを負いながら申請窓口に並ばなくてもいい状況です。

 民間のフードバンクなど食料支援団体も、屋外での配布や自宅ドア前に届けるなどの工夫で、接触を最小限にしています。私がディレクターを務めている日系人支援の団体でも、緊急に日本食材を届ける支援を始めていますが、やはり同様の対応をしています。ゆっくり向き合って相談ができないのは残念ですが、私たちが、今は無症状でも感染していないという保証はどこにもないので、仕方ありません。パンデミック下の今は、「全ての人が感染しているかもしれない」という前提で考えるしかありません。

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