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プロ野球・阪神タイガース選手 原口文仁さん

一病息災

[プロ野球・阪神タイガース選手 原口文仁さん]大腸がん(2)練習再開 細心の注意

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[プロ野球・阪神タイガース選手 原口文仁さん]大腸がん(2)練習再開 細心の注意

 昨年1月26日に受けた大腸がんの 腹腔ふくくう 鏡手術では腹部を縦に約5センチ切開した。傷口がふさがるまで2か月は運動ができない。笑ったり、くしゃみをしたりするとズキズキ痛み、寝返りを打つのもつらい。再発を抑えるための抗がん剤の服用も始まった。

 療養中に春季キャンプの時期を迎え、「今できることをしよう」と気持ちを切り替えて他球団の情報をテレビで追った。3月7日、1か月遅れでチームに合流すると、バイクトレーニングや体幹強化で筋力回復に努めた。体調や傷口には細心の注意を払った。

 5月上旬、二軍の試合で実戦に復帰した。打席に立つ前はバットを振れないほど緊張した。医療スタッフやトレーナーらの全面サポートで、順調な回復を実感できていた。だが、打席を重ねてもなかなか納得のいく結果が出ない。「これでは一軍に上がれない」。危機感が募った。

 体調がすぐれない日もあった。抗がん剤の影響からか、一部の生の食材にアレルギーが出て、顔周りのかゆみや唇の腫れに見舞われた。つらいとき、支えになったのは、以前と変わらず接してくれる妻と無邪気な長女(2)の存在。ファンからのメッセージや千羽鶴にも勇気づけられた。

 セ・パ交流戦が迫る6月2日、会心の本塁打が出て、ようやく「心技体」が一致した。そして届いた一軍昇格の報。「野球をしている間は病気を忘れられる。暗くなるより、うまくなりたい思いが勝っていました」

プロ野球・阪神タイガース選手 原口(ふみ)(ひと) さん(28)

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