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普段通り飲む女性客「客いないし感染大丈夫」、就活学生「人生かかっているので説明会へ」

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夕方のラッシュ時間帯も車がまばらな御堂筋(8日午後6時39分、大阪市中央区で、読売ヘリから)=前田尚紀撮影

 新型コロナウイルスの感染者急増に伴う緊急事態宣言を受け、対象となった大阪府や兵庫県などで8日、外出自粛の取り組みが本格的にスタートした。普段は混雑する繁華街や駅から人の姿が消え、街の光景は一変した。

◆屋根を開放

 大阪市北区の天神橋筋商店街。全長約2・6キロに並ぶ約600店のうち少なくとも30店以上に休業を伝える紙が貼られていた。

 5日に閉店した「すし政本店」では店主の男性(66)が片付けに追われていた。父の代から約60年続いたが、3月の外出自粛要請の影響で、1日の売り上げが10分の1に落ち込んだという。男性は心臓に持病を抱えていることもあり、閉店に踏み切った。「おやじから受け継いだ店だったので、長く続けたかった」と語った。

 生活必需品の買い出しなどは、生活の維持に必要として外出自粛の対象になっておらず、商店街内のスーパーは買い物客らでにぎわっていた。食料品を買い求めていた近くの主婦(54)は「いつもはいろいろな店を回るが、今日はどこにも寄らずに帰ります」と、足早に店を離れた。

 天神橋筋五丁目商店街ではこの日から、日中にアーケードの屋根部分を開放することにした。組合理事長で着物店主の松井満宏さん(60)は「換気をして少しでも感染のリスクを減らしたい」と話した。

 神戸の中華街・南京町(神戸市中央区)では、約90店舗のうち約8割が自主的に閉店している。

換気のため、アーケードの屋根が開けられた天神橋筋五丁目商店街(8日午後、大阪市北区で)

 屋台を訪れた近くに住む大学院生の男性(27)は「客が減って大変だとニュースで知り、応援の気持ちを込めてギョーザなどを買った。何とか収束してほしい」と願った。

◆駅も混まず

 企業には自宅で仕事をするテレワークの活用などで出勤を減らすよう求められており、JR大阪駅では、普段のような混雑が見られなくなった。

 就職活動中の神戸市西区の大学4年男子(21)は大阪での会社説明会に参加するため、電車に乗った。「感染は怖いが、人生がかかっているので説明会に行かないわけにはいかない」と語った。

 JR三ノ宮駅(神戸市中央区)でも、利用客は少なかった。兵庫県明石市の会社員の男性(26)は9日から在宅勤務が始まるといい、「通勤時の感染リスクが怖かったので、外出せずに済む」と安心していた。

◆「休業悔しい」

 密閉、密集、密接の「三つの密」が生じやすいとして、出入りの自粛が強く求められている夜の繁華街。大阪・ミナミの宗右衛門町そうえもんちょうでは、シャッターを閉めたままの店が目立った。

 バーを長年経営する男性(65)は緊急事態宣言を受け、8日から店を5日間、臨時休業する予定だ。大阪府は、バーなどの施設に営業自粛(使用制限)を求めるかについて、外出自粛の効果を見極めた上で2~3週間後に判断するとしており、営業を再開した後に、府の要請で再び休業させられる可能性もある。

 男性は「休業するのは悔しい。バーを営業自粛の対象にするなら、補償してほしい」と語った。

 普段通り飲みに行く人の姿も見られた。飲食店では、30歳代の女性が「店には客もいないし、感染は大丈夫」と飲んでいた。一方、アメリカ村の近くの路上では、会社員の男性(49)がコンビニエンスストアで缶ビールを買い、同僚らと飲んでいた。「感染が怖いので、風通しのいい屋外で飲んで一息つきたい」と話していた。

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