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手すり・ドアノブ消毒は徹底したのに院内感染…盲点だった「タブレット」

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クラスターが発生した国立病院機構大分医療センター

 新型コロナウイルスのクラスター(感染集団)が発生した国立病院機構大分医療センター(大分市)は7日、外来診療の一部を再開した。厚生労働省クラスター対策班は、職員らが共用するタブレット端末や休憩室で感染が広がった可能性を指摘、院内感染対策など様々な課題が浮き彫りになった。大規模な集団感染は医療崩壊を引き起こしかねず、大分県は医療機関や高齢者福祉施設に対策の徹底を呼びかけている。(関屋洋平、長谷部佳子)

 「手すりやドアノブの消毒は徹底していたが、タブレット端末はやっていなかった。まさか、そこから感染が広がるとは……」。センターの関係者は、対策班の指摘が盲点だったことを明かした。

 3月19日に元入院患者の男性の感染が確認され、医師や看護師、患者らの陽性が次々と判明。厚労省は感染経路の特定や拡大防止のため、クラスター対策班を派遣した。

 対策班は原因の一つに、医師や看護師が使うタブレット端末などを介して感染が広がる「接触感染」を挙げた。休憩室が感染経路になった可能性にも言及した。

 センターによると、職員は常にマスクを着用し、飛沫ひまつ感染に気をつけていたという。医師でもある藤内修二・県健康づくり支援課長は「休憩室ではマスクを外すこともある。休憩の取り方や休憩室の使い方も重要だ」と訴える。

     ◇

 センターから転院した患者の感染が6病院でも明らかになり、転院先の看護師1人とセンターの看護師の友人を含め、センター関連の感染者は6日時点で24人。医療機関は警戒を強めている。

 「大分医療センターが対策を怠っていたとは思えない。どこでも起こり得ることだ」。大分市内の病院の職員は危機感をあらわにする。

 この病院ではセンターの事例を踏まえ、患者の情報などを入力する端末のキーボードやマウスの消毒に気を配るようになった。休憩室の換気も徹底。できる限りずらして休憩を取るように心がけている。

 職員は「センターでの調査で分かったことを、ほかの医療機関に積極的にフィードバックしてほしい。それを受け、さらなる対策につなげたい」と話す。

初期症状の見分け困難

 初期症状が発熱やせきなど風邪と見分けがつきにくいとされ、症状がないこともある。医師らが難しい判断を迫られている実態も浮き彫りになった。

 センターでは感染が確認された女性が持病の間質性肺炎と診断されてPCR検査が遅れたり、看護師と職員が体調を崩して出勤し、その後の検査で陽性反応が出たりした。対策班の調査でも、3月に入ってから発熱を訴える患者や職員らが増えていったことが分かっている。

 大分大医学部の平松和史教授(感染症学)は「医師らは患者一人一人の体調の変化は把握している。クラスターを防ぐためには、感染症対策の部署が全体を見渡し、わずかな異変も見逃さないことが大事だ」と指摘する。

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