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医療・健康・介護のニュース・解説

外出禁止でイライラ 家庭内暴力が増えたフランス メンタルケア急務

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 新型コロナウイルスの感染拡大が続くフランスでは、外出禁止令が延長されて、いよいよ「コロナ疲れ」によるメンタルの問題が発生している。

病院の食堂の扉には、子どもたちから「メルシー(ありがとう)」のメッセージ

病院の食堂の扉には、子どもたちから「メルシー(ありがとう)」のメッセージ

医療従事者を対象に臨床心理士が面談

 まずは、最前線にいる医療従事者のメンタルケアだ。これは早くから言われていた。医療物資の不足からの不安、極度の緊張、先の見えない闘いによる (しょう)(すい) ……。

 病院では、医療従事者向けの臨床心理士との面談が始まっている。匿名で登録し、プライベートな空間でなんでも話すことができる。厳しい職場環境下での心身の疲労、自分も感染するのではないかという恐怖感。すでに医療従事者の感染者も出ており、いつか自分もという不安がぬぐい切れない。その話題に触れないように、あえて外部との連絡を断っている人もいる。そうなれば、本当に孤独な闘いだ。安心して話せる相手がいるというのは、心のよりどころにもなる。守秘義務があり、話した内容が漏れることもない。

 医療従事者は、休日にはできるだけ、テレビのニュースもインターネットも携帯電話もオフにしてコロナから離れ、心身ともに休息することが求められている。

24時間顔を付き合わせ、子供虐待も懸念

 外出禁止でテレワークになると、共働きの夫婦が24時間、顔を突き合わせることになる。子供がいれば、休校中はそこに加わる。邪魔しないように、邪魔されないように、親外に自分の居場所を確保する。確保できれば良い方で、したくても家庭の事情によっては空間を共有せざるをえないこともある。

 はじめの数日は、いつもと違う環境に興奮状態であるため、大きな問題は起こらない。でも次第に、声がうるさい、集中できない、子供の勉強も見なければならない、などのうっぷんがたまり始める。外の空気を吸いにいけるのも、一日にわずか1時間程度。イライラがつのり、子供への虐待も懸念されている。

 外出禁止令が出て1週間後には、フランス全土で約32%、パリで約36%もDV(ドメスティックバイオレンス)が増えたという。DVで亡くなった方も出ている。政府は全国に約20か所のシェルターを開設し、食料や生活必需品を供給するとしたが、DV被害者の数は増加傾向にある。

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