プロ野球・阪神タイガース選手 原口文仁さん
一病息災
[プロ野球・阪神タイガース選手 原口文仁さん]大腸がん(1)病名公表「復帰で希望を」
真面目でひたむきな姿勢から「必死のグッチ」を決めゼリフとする愛されキャラだ。2010年にドラフト6位で入団したが、度重なるけがで育成契約を経験した苦労人でもある。1メートル82、90キロ超の体から放つ豪快な打撃でファンを魅了する。「代打の神様」と呼ばれた桧山進次郎さんと並ぶシーズン代打安打の球団記録を持つ。
体調に不安を感じ始めたのは17年頃だった。しっかり寝ても疲れが取れない。昨年1月、人間ドックで、思いもよらない結果を告げられた。大腸がん。「信じられない、まさか」。頭が真っ白になった。
新たなシーズンへの手応えを感じていたが、全て白紙になった。ツイッターを開設し、自ら病名を公表した。<病気になった事を自分の使命とも思う。患者の方々やご家族にとって夢や希望となれるよう、精一杯、治療に励みたい>
2日後、 腹腔 鏡でがんを切除する手術に臨んだ。早期がんという術前の予想に反して、周辺のリンパ節に転移があった。ステージ(病期)はやや進行した「3b」。再発を防ぐため、抗がん剤治療を加えることになった。
「今までの人生、満足だったか。もっと何かできたんじゃないか」。急に「死」が身近に迫るように感じた。救いになったのは、薬の副作用がひどくなければ野球をしてもいいという主治医の助言だった。
「勇気を持って向き合い、一日も早く復帰する」
◇
プロ野球・阪神タイガース選手 原口文仁 さん(28)