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都会に疲れコロナ疎開「露天風呂で癒やし」「屋外だから安心」…地方首長ら懸念の声

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 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、東京や大阪など都市部で「不要不急の外出」の自粛要請が続く中、都市部の住民が感染者数の少ない地方の観光地や郊外のキャンプ場などに出かけるケースが目立っている。自粛疲れが背景にあるとみられ、SNS上では「コロナ疎開」などの言葉が広がっている。人の移動には感染拡大のリスクが伴い、地方の首長から懸念の声が上がっている。

■駐車場ほぼ満車

 「子どもたちに『コロナ疲れ』が出ていたが、ここなら安心して楽しめる」。4日午後、家族5人で鳥取市の鳥取砂丘をマイカーで訪れた大阪府松原市の会社員男性(51)はリラックスした表情で話した。

 近くの土産物店によると、新型コロナウイルスの全国的な感染拡大後、鳥取砂丘では訪日外国人客やバスツアーなどの団体客はほとんどいなくなったが、マイカーで訪れる個人客は以前とあまり変わっていない。4日も駐車場はほぼ満車となり、大阪や神戸など都市部のナンバーの車が目立った。

 岡山市北区建部町の「たけべの森公園オートキャンプ場」も同様で、3月の利用は前年同月比約5倍の134組で約6割が京阪神などの県外からという。大阪市浪速区の男性(50)は「出勤時以外は家にひきこもっている。屋外だから感染リスクも低いと思った」と話した。

 滋賀県野洲市の「マイアミ浜オートキャンプ場」も5月末までの全週末は予約で埋まっている。平日でも多い時で約半分が埋まる盛況ぶりだ。施設マネジャーの吉川文子さん(56)は「自粛でのキャンセルもあるが、それを埋め合わせる予約がある」と話す。

 

■医療崩壊を懸念

 大阪府では、吉村洋文知事がこの週末も「不要不急の外出」の自粛を要請。東京や福岡などでも要請が続き、先が見えない事態となっている。そのためか、ツイッターなどSNS上では「都会から離れ、露天風呂で自粛疲れを癒やします」「コロナ自粛でストレスまりまくりなんで、キャンプ」などの投稿が並んでいる。

 受け入れる側の心境は複雑だ。鳥取砂丘で土産物店を営む男性(72)は「ありがたい気持ちもあるが、感染者が多い地域からの訪問は正直、心配だ」と漏らす。

 鳥取県ではまだ感染者が確認されておらず、平井伸治知事も2日の記者会見で「自粛対象地域での不要不急な外出を控えるというルールに従えば、こちらに来るという行動にはならないはず」とクギを刺した。

 人口約2万人に対し、約1万6000棟の別荘がある長野県軽井沢町にも首都圏から車が押し寄せ、藤巻進町長は3月31日、町内で感染が広がる恐れがあるとして、町民だけでなく、別荘利用者らにも、不要不急の外出の自粛を要請した。

 離島の観光地では、感染拡大に伴う「医療崩壊」を懸念する声も強まっている。

 沖縄県の石垣島では、島内の感染病床は県立病院の3床しかない。石垣市の中山義隆市長は「体調の優れない方は来島を自粛してほしい」と呼びかけた。

 吉田耕一郎・近畿大教授(感染症学)の話「屋外は感染リスクは高くはないが、トイレや移動中に立ち寄る店など人が密集する機会はありうる。都市部で感染が広がる中、地方への移動は感染拡大のリスクがあると考えるべきだ。外出自粛が長引き、緩みが出る時かもしれないが、感染拡大による医療崩壊を食い止めるためにも、自制的に行動してほしい」

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