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医療・健康・介護のコラム

「健口」で健康(11)インプラント 手入れきちんと

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  このシリーズでは、予防歯科学が専門の大阪大歯学部教授、天野敦雄さんに聞きます。(聞き手・佐々木栄)

「健口」で健康(11)インプラント手入れ きちんと

 永久歯を失った時、昭和の治療法は入れ歯、または、歯をなくした箇所の両隣の歯を大きく削って土台にし、人工の歯をはめ込む「ブリッジ」でした。現在は、あごの骨にチタンボルトの人工歯根を埋め込み、見た目も良い人工の歯を上に取り付けることができます。これがインプラント治療です。

 65歳のA助さんは娘さんから口臭を指摘され歯科を受診。原因は歯周病でした。治療開始から10か月で歯ぐきの炎症は消え、息も爽やかになりました。ただ、右下の奥歯3本を支える骨がやせていて、歯科医師から「入れ歯かインプラントに」と提案されました。食事のたびに入れ歯を洗っていた父を思い出し、インプラントを希望。専門医を受診しました。

 あごの骨の形を確認するCT(コンピューター断層撮影法)をした後、手術を受けました。麻酔をするので痛みはありません。人工の歯の取り付けまでに8か月かかり、治療費も安くなかったですが、歯のことを気にせず何でもかめる現状に満足されています。

 原則、保険適用外で高価なのが難点ですが、確定申告の時に医療費控除が受けられます。価格は歯科医院ごとに異なりますが、一般的には1本50万円程度。高い、安いには、技術や品質などそれなりに理由があることが多いように思います。専門医の十分な説明を受けることが大切です。

 歯周病の治療を終えてから手術しないとインプラントも抜けてしまいます。インプラントでも歯周病になるので、油断は禁物。生涯、きちんと手入れができない人にはお勧めしません。

【略歴】
 天野 敦雄(あまの あつお)
 大阪大学歯学部教授。高知市出身。1984年、大阪大学歯学部卒業。ニューヨーク州立大学歯学部博士研究員、大阪大学歯学部付属病院講師などを経て、2000年、同大学教授。15年から今年3月まで歯学部長を務めた。専門は予防歯科学。市民向けの講演や執筆も多く、軽妙な語り口・文体が好評を得ている。

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