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「教えて!ドクター」の健康子育て塾

医療・健康・介護のコラム

新型コロナ流行で、病院に子どもを近づけたくない…定期受診、予防接種はどうする? 熱が出たときは?

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 新型コロナウイルス感染症の流行も、ますます危機的な状況となり、今が踏んばりどころです。この感染症について、多くの情報が流れています。有用な情報も多いのですが、小児科医としては、「子どもについての情報」が少ないことが気になっています。たしかに子どもは、高齢者と比べて軽症が多いといわれています。しかし、子どもだからこそ、気を付けなければいけないこともあるのです。

新型コロナ流行で、病院に子どもを近づけたくない…定期受診、予防接種はどうする? 熱が出たときは?

イラスト:江村康子

子どもの健康を守るには?

 子どもはもともと、よく熱を出します。新型コロナウイルス感染が広がっている状況下で、どんなタイミングで病院に連れていけばいいのだろうかと、迷う方もいらっしゃると思います。また、子どもの感染を予防するには、大人だけでなく、子ども自身も予防に努める必要があります。そのためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。

 さらに、休校などで自宅にいる時間が増え、生活習慣も乱れやすくなっています。しかし、緊急事態の今、こうしたことは優先順位が低いと捉えられているのか、あまり話題にのぼりません。しかし、小児科医としては、この点も気になっています。

 日本小児科学会は3月上旬に、これらの疑問に答える形でホームページに声明を出しました 1) 。とてもよくまとまっていますし、随時更新されていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

 ただ、保護者の皆さんが学会のホームページを読む機会は多くないかもしれません。そこで今回、私たちの「教えて!ドクタープロジェクト」では、小児についての情報をイラスト付きでまとめた フライヤー を作成しました。その内容を一部、ご紹介したいと思います。フライヤーは、一部の切り貼りや商用目的でなければ、ご自由に複製、配布していただいて構いません。また、新型コロナウイルス感染症の情報は日々更新されますので、フライヤーにも記載してあるとおり、公的情報も参考にしてください。

「病院に近づきたくない」と思ったら

 まず、病院の受診についてお話しします。

 保護者の皆さんの不安は強く、病院を受診するタイミングで迷われている方も多いかと思います。感染を恐れ、「できれば病院には近づきたくない」と考えている方も多いのではないでしょうか。実際、病院の外来には、「定期受診や予防接種を延期したい」という連絡がひっきりなしにあり、スタッフはその対応に追われています。しかし、延期すべきなのでしょうか。

 慢性的な病気で定期受診されているお子さんの場合、定期的な診察や薬の内服が必要であることが少なくありません。ご家族の気づかない変化を主治医がキャッチして、治療方針を調整する場合もあり、受診を延期するとコントロールが難しくなる場合があります。

 一方で、病状が安定している場合には、主治医と相談し、処方薬や物品の処方をいつもより多めにして受診間隔を空けたり、家族だけが受診したりと、柔軟な対処が可能なこともあります。定期受診が不安な方は、一度、主治医とご相談ください。

怖い感染症を防ぐ予防接種 延期しないで

 「予防接種を延期できないか」という問い合わせも多く受けています。

 小さいお子さん、特に「生後数か月」という間は、毎月のように予防接種が必要です。「この時期、何度も病院に行くのはちょっと……」と、受診を控えたくなるお気持ちも分かります。ただ、予防接種の対象となる病気は軒並み、かかると致命率が高かったり、重い後遺症が残る危険があったりする病気が多いのです(だからこそ、ワクチンが作られているのです)。たとえば、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンで細菌性髄膜炎を、4種混合ワクチンでジフテリア・百日 (せき) ・破傷風・ポリオを、BCGワクチンでは乳児結核を、MRワクチンで麻疹や風疹を予防することができます。赤ちゃんがこれらの病気にかかると、命に関わることも珍しくありません。

 確かに今は、新型コロナウイルスがトピックになっていますが、これらの感染症の恐ろしさを忘れてはいけません。予防接種を適切なタイミングで受ければ、こうした重い感染症にかかるリスクを下げることができます。

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坂本昌彦(さかもと・まさひこ)

 佐久総合病院佐久医療センター・小児科医長
 2004年名古屋大学医学部卒。愛知県や福島県で勤務した後、12年、タイ・マヒドン大学で熱帯医学研修。13年、ネパールの病院で小児科医として勤務。14年より現職。専門は小児救急、国際保健(渡航医学)。日本小児科学会、日本小児救急医学会、日本国際保健医療学会、日本国際小児保健学会に所属。日本小児科学会では小児救急委員、健やか親子21委員。小児科学会専門医、熱帯医学ディプロマ。現在は、保護者の啓発と救急外来の負担軽減を目的とした「教えて!ドクター」プロジェクトの責任者を務めている(同プロジェクトは18年度、キッズデザイン協議会会長賞、グッドデザイン賞を受賞)。

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