教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
いびき ただ迷惑なだけ?
糖尿病・脳卒中の兆候も


Q グーグー、ガーガー……。あら、寝てた!
ヨミドック お疲れのようですね。大きないびきでした。
Q なぜいびきをかくの?
ヨ 寝ている間に、呼吸時の空気の通り道となる上気道が狭くなることで起こります。特にあおむけに寝た時に、上あごの奥や舌の付け根がのどの奥に落ち込み、上気道の一部がふさがれやすくなります。狭くなった上気道に必死で空気を通そうとした時に、 口蓋垂 (のどちんこ)などが震えて音が鳴ります。
Q 太っている人に多い気がする。
ヨ 肥満は主な原因です。ただ、欧米人よりあごが小さい、首が短いといった日本人の骨格的な特徴もいびきの要因です。加齢による筋力の低下や更年期に伴う女性ホルモンの減少、飲酒後や鼻づまり状態でもかきやすくなります。
Q 迷惑でしょうけど……。許してよ。
ヨ 甘くみてはいけません。いびきをかく人は、高血圧や糖尿病などになりやすいことが知られています。特に上気道が完全にふさがれ、呼吸が断続的に止まる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の人は、これらの病気に加え、心筋 梗塞 や脳卒中などの危険性が2~4倍になると言われます。
無呼吸による低酸素状態が繰り返されることで、動脈硬化が進みやすくなります。息苦しさで深い睡眠が妨げられ、寝ている間も体を活動的にさせる交感神経が働いてしまうのも原因と考えられています。

Q いびきをかいている自覚がないんだ。
ヨ 寝起きの頭痛や疲労感、日中の強い眠気や集中力の低下などは、いびきやSASの影響かもしれません。こうした症状の人は、睡眠に詳しい医師に相談しましょう。
Q 治せるの?
ヨ 飲酒や鼻づまりによる一時的ないびきなら、横向きに寝る、高い枕を避けるといった方法で改善が期待できます。治療では、睡眠中に鼻にマスクをつけて空気を送り込む「CPAP(シーパップ)」という装置を使ったり、マウスピースをつけて気道を広げたりする方法があります。
(森井雄一/取材協力=巽浩一郎・千葉大教授、富田康弘・虎の門病院睡眠呼吸器科医師)
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