【特別編】高知東生氏 ドラッグで逮捕され、死も考えた――。
シリーズ「依存症ニッポン」
高知東生氏 4年目の覚悟と決意(上) クスリの口実になる、ストレスを探していた
イケメンのバイプレーヤーとして、映画やテレビで大活躍をしながら、2016年、覚醒剤取締法違反、大麻取締法違反容疑で逮捕された。後悔、反省、そして 贖罪 への思いは本物なのか? 2時間半に及んだロングインタビューですべてを話す。
芸能界への罪は、これから背負っていかなくてはいけない
――4年前に覚醒剤取締法違反、それに大麻取締法違反(いずれも所持)で逮捕されました。懲役2年の有罪判決を受け、現在は執行猶予中(4年)です。今回、俳優としては約5年ぶりに、3月31日公開の動画サイトのドラマに出演しました。
今回、話をいただいたのは、どちらも依存症啓発のドラマです。自分自身が薬物依存から立ち直り、生き直したいと思っているので、ありがたいお話だと思いました。
――芸能界、俳優の世界に復帰すると理解していいのですか? おそらく、「早すぎる」などの厳しい批判も出てくると思います。
自分の口から「役者に復帰する」などと言うつもりはありません。
芸能界に対しては、本当に深く責任を感じています。自分がやったことで、同じ世界でがんばっていた同業者や関係者などが、「やっぱり芸能界は……」と見られてしまうようになりました。もちろん、芸能界でもほとんどの人は、自分で夢を追い、(薬物などとは無縁で)がんばっています。
この責任は背負っていかなくちゃいけない。
ただ、僕自身は25年近く芸能界でやらせてもらった、ある種の職人です。今現在の、そしてこれからの生き方を見ていただいて、「必要だ」とされる場所があるのならやらせていただきたい。そんな気持ちです。
「介護のための引退」とは言ったことはない
――表立って、「俳優復帰です」とは宣言しない、と。ただ、当時の報道を見ると、逮捕されたのは「妻の父親の介護」を理由に、芸能界引退を宣言した後だったようですが。
言い訳がましく聞こえるかもしれませんが、当時、「親の介護のために引退」とは一言も言っていなかったんです。美容・健康産業でのビジネスをスタートさせることが、役者を休業した最大の理由でした。
元妻(女優の高島礼子さん)のお父さんのケアは本当のことで、夫婦2人が仕事をしながらやっていく必要があった。そんな介護の中で知りえたことや感じたことなどを、自分のビジネスの中にも生かしていきたいとは考えていました。その仕事に本気で取り組むためには、役者との両立は難しい。そこで、所属プロダクションの社長に休業を申し出て、了解をしてもらいました。俳優は仕事がなくても俳優です。わざわざ引退する必要はありません。
ところが、ワイドショーなどでは、「親の介護のために引退」と大々的に報じられたんです。夫婦で「はあ?」という感じでしたが、今さら「それは違います」と言う場所もないので、「いいよ、いいよ、放っておこう」となったのです。
――俳優をやめたわけではなく、新しい仕事に注力するための休業だった?
そうです。その後、テレビや雑誌なんかでコメントを求められるたびに、引退ではないことを伝えてきたし、元奥さんもそう説明をしてきました。
――そちらは報じてもらえなかった。
そうですね。
――「義父の介護をするための芸能界引退」と美談的に認識されたことで、薬物での逮捕の印象は、はるかに悪くなってしまいました。
その通りです。
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