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今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」

医療・健康・介護のコラム

慢性上咽頭炎とは? 10年以上悩んだ症状の原因はこれだった

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痛む場所と痛みの原因の場所が違う

 咽頭痛、いわゆるのどの痛みというと、首の真ん中の辺りに感じる人がほとんどでしょう。インフルエンザの時も、そこに痛みを感じた経験があると思いますが、実際に綿棒で検査されるのは鼻の奥の上咽頭です。上咽頭でウイスルが急激に増殖するからなのですが、そこに痛みがあることはあまりありません。ところが実は、咽頭痛の原因の90%は上咽頭の炎症という報告があります。痛む場所と原因の場所が違っているのとなると、痛む場所だけを調べても正体はわかりません。

慢性上咽頭炎とは? 10年以上悩んだ症状の原因はこれだった

 10年以上前から、のどのヒリヒリと焼けつく感じに悩まされてきたOさん。のどをいろいろと検査するのですが、特に異常がありません。これといった治療もなく、悩む日々が続きました。

 喉頭内視鏡で上咽頭の腫れを確認し、粘膜表面を綿棒で優しくこすってみると、じわじわと出血が認められました(写真上)。本来は、粘膜だからといって簡単に出血するようなことはありません。やはり、同部位がのどの症状の原因だと考えてこする治療を続けたところ、4か月もすると、強くこすっても出血することがなくなり(写真下)、同時にヒリヒリした痛みもなくなっていました。

こすって治す上咽頭擦過治療

 慢性上咽頭炎に対するこの治療は、上咽頭擦過治療(Epipharyngeal Abrasive Therapy:EATイート)といいます。まさに傷口に塩を塗りつけるかのような、とても原始的な治療で、治療の際の痛みもあります。

 命の上流部の慢性炎症が、直接的、間接的にいろいろな症状や病気を引き起こしていることが分かってきています。のど、首回りのいろいろな症状で悩んでいる人は一度、慢性上咽頭炎を疑ってみてはいかがでしょうか。

 慢性上咽頭炎については、いまだ診断・治療が標準化されていないのが現状ですが、2019年11月、日本耳鼻咽喉科学会の関連学会である日本口腔・咽頭科学会の中で、旭川医大耳鼻咽喉科の原渕保明教授を委員長として上咽頭擦過療法検討委員会が発足しました。同委員会の活動により、慢性上咽頭炎についてさらに多くの知見が集まることが期待されています。(今井一彰 「みらいクリニック」院長・内科医)

 ※田中耳鼻咽喉科院長・日本病巣疾患研究会理事の田中亜矢樹先生の助言をいただきました。

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今井 一彰(いまい・かずあき)

 みらいクリニック院長、相田歯科耳鼻科内科統括医長

 1995年、山口大学医学部卒、同大学救急医学講座入局。福岡徳洲会病院麻酔科、飯塚病院漢方診療科医長、山口大学総合診療部助手などを経て2006年、博多駅近くに「みらいクリニック」開業。日本東洋医学会認定漢方専門医 、認定NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長、日本加圧医療学会理事、息育指導士、日本靴医学会会員。

 健康雑誌や女性誌などに寄稿多数。全国紙、地方紙でも取り組みが紹介される。「ジョブチューン」(TBS系)、「林修の今でしょ!講座」(テレビ朝日系)、「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)、「ニュースウオッチ9」(NHK)、「おはよう日本」(同)などテレビやラジオの出演多数。一般から専門家向けまで幅広く講演活動を行い、難しいことを分かりやすく伝える手法は定評がある。

 近著に「足腰が20歳若返る足指のばし」(かんき出版)、「はないきおばけとくちいきおばけ」(PHP研究所)、「ゆびのば姿勢学」(少年写真新聞社)、「なるほど呼吸学」(同)。そのほか、「免疫を高めて病気を治す口の体操『あいうべ』」(マキノ出版)、「鼻呼吸なら薬はいらない」(新潮社)、「加圧トレーニングの理論と実践」(講談社)、「薬を使わずにリウマチを治す5つのステップ」(コスモの本)など多数。

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