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今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」

医療・健康・介護のコラム

慢性上咽頭炎とは? 10年以上悩んだ症状の原因はこれだった

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慢性上咽頭炎とは? 10年以上悩んだ症状の原因はこれだった

 喉に何となく違和感がある、何かがへばりついている感じがあるという症状は、喉頭異常感症と呼ばれますが、その他にも、 (ばい)(かく)() 、ヒステリー球、 (いん)(ちゅう)(しゃ)(れん) などの名前で呼ばれています。様々な呼び名があるということは、よくある症状であるとも言えます。

 命に関わる症状ではないのですが、常にこんな状態だと気分が ()() り、人とも会いたくなくなり、しまいにはのどを丸ごと、ごそっと取り替えてほしいと訴える人もいます。

上咽頭はインフルエンザの検査でこするところ

 慢性上咽頭炎という病名を聞いたことがありますか? 上咽頭とは、鼻の穴の10センチほど奥、喉の一番上の部分のこと。インフルエンザの検査の時にこすられるところ、というと分かる人もいるかも知れません。そこが上咽頭で、口からは“のどちんこ( (こう)(がい)(すい) )”に隠れて直接見ることが難しい部位です。

 鼻は天然の高機能空気清浄器として、心臓と同じように24時間働いています。心肺停止状態は、命に直結します。だから循環器も呼吸器も1分として休むことは許されません。

 ですから鼻は、その機能をきちんと保つためにネイザルサイクル(鼻サイクル)といって、2、3時間おきに交互に左右の鼻の穴を切り替えて呼吸しています。実は、鼻の穴が二つあるのはこのためなのです。どちらか一方で呼吸をしているんですね。呼吸をしていない側は、分泌物を多くして鼻にたまった汚れを排出してくれています。このネイザルサイクルにより、鼻は24時間の過酷な仕事に耐えているわけです。

汚れた空気で炎症起こしやすく

 ところが鼻の穴( (がい)()(こう) といいます)は二つなのに、上咽頭部では一つに合流してしまいます。ですから、ここは文字通り24時間過酷な労働を強いられますので、炎症を起こしやすい部位なのです。私たちが一日に吸う空気の量は1万リットル、500ミリ・リットルのペットボトル2万本に相当します。それらが汚れているとしたらどうでしょうか? かなりのダメージが及ぶように思いませんか。そのためにのどの他の部位と違ってリンパ組織が発達して、外来異物に対して常に臨戦態勢を取る必要に迫られます。

 汚れた空気を常に吸い込んでいれば、体に不調が出てもおかしくありません。これは命の上流の危機です。

 大気汚染とうつや統合失調症との関連、早流産の増加、心臓や肺に及ぼす影響により、入院や死亡が増えたりするという報告も出てくるようになりました。これから、もしかしたら「空気も買う時代」になるかも知れませんね。

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今井 一彰(いまい・かずあき)

 みらいクリニック院長、相田歯科耳鼻科内科統括医長

 1995年、山口大学医学部卒、同大学救急医学講座入局。福岡徳洲会病院麻酔科、飯塚病院漢方診療科医長、山口大学総合診療部助手などを経て2006年、博多駅近くに「みらいクリニック」開業。日本東洋医学会認定漢方専門医 、認定NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長、日本加圧医療学会理事、息育指導士、日本靴医学会会員。

 健康雑誌や女性誌などに寄稿多数。全国紙、地方紙でも取り組みが紹介される。「ジョブチューン」(TBS系)、「林修の今でしょ!講座」(テレビ朝日系)、「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)、「ニュースウオッチ9」(NHK)、「おはよう日本」(同)などテレビやラジオの出演多数。一般から専門家向けまで幅広く講演活動を行い、難しいことを分かりやすく伝える手法は定評がある。

 近著に「足腰が20歳若返る足指のばし」(かんき出版)、「はないきおばけとくちいきおばけ」(PHP研究所)、「ゆびのば姿勢学」(少年写真新聞社)、「なるほど呼吸学」(同)。そのほか、「免疫を高めて病気を治す口の体操『あいうべ』」(マキノ出版)、「鼻呼吸なら薬はいらない」(新潮社)、「加圧トレーニングの理論と実践」(講談社)、「薬を使わずにリウマチを治す5つのステップ」(コスモの本)など多数。

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