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外出禁止1週間のフランス 違反者多く、罰則や規制を強化
フランスで外出禁止令が発令されて、1週間がたった。
お米やパスタ、みそなどのストックが切れていたけれど、仕事が終わる時間には、すでにスーパーは閉まっている。いつもより早く閉まるので間に合わない。週末にようやく買い物に出かけることができたが、商店街はいつものにぎわいで、「これでいいの?」と疑問が湧いた。
高齢者専用の時間帯設けるスーパーも
特にパリは高齢者の独居が多く、外出やスーパーのレジで並ぶのは感染リスクを高める。重たい荷物を運ぶのも大変だ。こういった状況を考慮し、いくつかのスーパーでは高齢者専用の時間帯を設けるところも出てきた。
軽度の運動が推奨され、近場の外出は認められているものの、リスクを軽視し、不要な外出をする人が多いことから、セーヌ川の川岸や公園が立ち入り禁止となった。エッフェル塔周辺へも近づくことは禁じられた。
ヘリやドローンでパトロール
フランスの国会は、新型コロナウイルスの対策の一環として「公衆衛生非常事態」法案を採択した。政府は外出規則の罰金を引き上げ、外出許可を持っていない人の罰金は135ユーロ、15日以内に同じ違反をした者には1500ユーロの罰金と発表した。また外出規制の取り締まりは、警察官のみならず、パリ市の職員も行うことができるようになった。パリ市の上空にはヘリコプターやドローンが飛んで、パトロールを行っている。
ペットの食料確保も苦労
パリではアパートで動物を飼っている人も多く、筆者もその一人である。ここで困ったのが、犬や猫の食料の確保だ。我が愛猫は高齢で糖尿病も患っていることから、特別食を食べさせている。朝晩のインスリンの注射もしなければならない。動物病院に連絡すると、ストックはほぼ品切れ状態、注文してもいつ来るかわからないという。とりあえず注文を入れ、連絡を待つことに。
数日前に連絡がきて、週末にしか行けないと事情を話すと、行く時間を指定された。当日行くと病院のドアには鍵がかかり、中には一人しか入ることはできない状態となっていた。 前の人が終わって出てくると、名前を呼ばれて中に入る。注文した量の半分以下しか受け取ることはできなかったけれど、ありがたいことである。次の注文をしておき、あとは手作りでなんとか乗り切ろうと思う。
パリ交通公団及びフランス国鉄は運行数を減少させたが、パリ交通公団は医療従事者のための専用バスを運行することを決定した。
3月23日夜にエドゥアール・フィリップ首相が会見し、運動目的での外出も住居から1キロメートル以内に限り、1日1回1時間までと規制強化された。(古田深雪 パリ在住・医療通訳)
ふるた・みゆき パリ・アメリカンホスピタル勤務。医療通訳、医療コーディネート、リフレクソロジスト
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