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医療大全

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治療できる「認知症」(3)てんかん発症の可能性

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 「お母さん、どうしたの」。埼玉県のBさん(75)は、心配そうな表情の長女(38)をけげんに思った。

 「えっ、何が」。聞き返すと、「何回も呼びかけたのに、目の焦点が合ってないし、返事もなくて変だった」。そう言われても、何も覚えていなかった。

 2011年4月、自宅の居間でテレビを見ていた時のことだ。

 「まさか認知症?」。長女は母のBさんを近くの病院へ連れて行った。頭部のMRI(磁気共鳴画像)や脳波、認知機能を調べる検査は全て異常はなかった。

 東日本大震災の影響が強く残る頃。「疲れていただけかもしれない」。Bさんは検査結果に 安堵あんど した。

 1か月後、パソコンの前で体が固まったように動かない母に長女が気付いた。声をかけても反応はなく、ガムをかむように口をくちゃくちゃと動かしていた。

 大学病院に行ったが、検査の結果は同じ。心療内科を受診しても、理由は分からないままだった。

 その後も多い時で月4回ほど、意識が飛んだ。家に母一人を残すのが不安で、長女は勤務先を休職した。「絶対どこかがおかしい」と心配する長女。「病人扱いしないで」とBさん。2人は何度もぶつかった。

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