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医療ルネサンス

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治療できる「認知症」(2)記憶力低下診断は「うつ」

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治療できる「認知症」(2)記憶力低下診断は「うつ」

愛車のハンドルを握るAさん。一時は運転免許の返納も検討したという(茨城県取手市で)

 茨城県取手市の自営業Aさん(70)は2015年春、家の近くで車を運転していて、ふいに、帰り道が分からなくなった。頭や胸が、ぞわぞわするような不快感に襲われた。

 異変は続く。同じ頃、次女(47)から栃木県日光市に出かけた時の写真を見せられた。孫たちと一緒に写る自分。1か月ほど前のことだというが、記憶がない。写真の中でほほえむ自分が他人のように思えた。

 運転中の事故を心配する次女らの強い勧めで、車を手放した。

 その後も、多い時は1日4、5回、不快感とともに記憶がパッとなくなった。大事な納期などはメモを取り、ミスなく仕事をこなすだけで精いっぱいだった。

 「見たこともないような険しい顔をしている」。いつも温和な表情を浮かべていたのに、すっかり面変わりしたAさんを見た次女らは認知症を疑った。

 順天堂大病院のメンタルクリニックを受診した。MRI(磁気共鳴画像)や認知機能の検査をしたが、特に問題はなかった。身体の異常も見つからなかった。

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