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気象予報士ママの「健康注意報」 新見千雅

医療・健康・介護のコラム

子どもの花粉症対策…発症の低年齢化、初期症状見逃さず、やるべきことは!?

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花粉が飛散する時期

子どもの花粉症対策…発症の低年齢化、初期症状見逃さず、やるべきことは!?

点眼薬は怖がって泣いて嫌がるため、スムーズにできないことがあるとよく聞きます。子どもをあおむけに寝かせて、下の瞼だけ少し下に引っ張り、その上に点眼薬を落とす方法でうまくできることがあります(提供・日本気象協会)

 花粉症に悩んでいる方が多いですね。原因となる花粉にはいくつも種類がありますが、春はスギやヒノキの飛散がピークとなります。

 花粉症の症状を和らげるには花粉との接触を避けることが必要ですよね。花粉の飛散には天気が大きく影響していますので、マスクやゴーグルの他にも天気のチェックも忘れずに行いましょう。

 花粉が飛散しやすいのは、気温が高く、風が強い日です。

 広く高気圧に覆われ気温が高くなる時、そして特に、日本海に発達した低気圧がある時は、暖かい風が流れ込むことが多いため、気温が高くさらに風が強まりやすくなるため、注意が必要です。

 暖かいと雄花が破裂して花粉が飛散しやすくなります。また、空気が乾燥して風が強いと、 堆積(たいせき) した花粉も舞い上がりやすくなります。反対に、雨の日は花粉の飛散量は少なくなりますが、雨の上がった翌日は2日分の大量の花粉が飛散することがあります。

 春は低気圧と高気圧が交互に通過しやすく、天気が周期的に変わりやすいので、天気予報の花粉情報を見て洗濯物を外に干すタイミングなどを検討するのもよさそうです。

花粉症のしくみ、増加の理由

 そもそも花粉症はなぜ起こるのでしょう。

 花粉症は花粉が原因となって起こるアレルギー性疾患で、主にアレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎があります。アレルゲン(アレルギー物質)である花粉が 鼻腔(びくう) 内の粘膜や目の結膜につくと私たちの体の中ではIgE抗体が作られます。この抗体はマスト細胞と結合します。そして再度アレルゲンが私たちの体の中に入ると、マスト細胞からヒスタミンなどのアレルギー誘発物質が放出され、鼻や目などの神経が刺激されて、アレルギー反応が起こります。

 花粉症の方が増えている理由には、いろいろな可能性があるようです。例えば、スギ花粉に関しては、育てやすく成長が早いスギの木が、建築の材料に使うために戦後からたくさん植えられ、花粉量そのものが増えるなど、さまざまな環境の変化が影響しているようです。

 都市化が進み花粉が空気中を漂いやすくなったことや、自動車の排気ガスや黄砂などの大気汚染も関係しているのではと考えられています。

 また、幼児が花粉症になるケースが増えていて、発症年齢も低くなっています。

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気象予報士ママの「健康注意報」

新見 千雅(にいみ ちか)
日本気象協会 気象予報士

 呼吸器、透析分野で看護師として勤務した後、気象会社で原稿の作成やラジオ番組を担当。現在は、日本気象協会と株式会社JMDCが進めている、気象データとレセプト(医療報酬の明細書)データを使って、様々な疾患の発症・重症化リスクに関する情報を提供するサービス「Health Weather(R)(ヘルスウェザー)」プロジェクトに参加している。
 2児の母として、妊娠・出産・育児にまつわる天気のコラムを執筆中。


鈴木 孝太(すずき こうた)
愛知医科大学医学部 衛生学講座 教授

 1974年、東京都生まれ。2000年、山梨医科大学医学部卒。2005年、山梨医科大学大学院医学研究科修了(博士(医学))。2011年 、University of Sydney Master of Public Health (MPH) Coursework修了。山梨大学医学部助手、助教、特任准教授、准教授を経て、2016年から現職。専門分野は周産期から小児期にかけての疫学、産業保健、ヘルスプロモーション。
 最近は、「Health Weather(R)」と共同で、気象と健康に関する研究を実施している。



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