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アラサー目前! 自閉症の息子と父の備忘録 梅崎正直

医療・健康・介護のコラム

本気のラブレターをもらってきた日…「養護学校」の就学通知書に反して入った小学校で

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 幼稚園入園を巡る苦労話は前回書いたが、小学校入学もすんなりとはいかなかった。

 入学する前の年末に届く就学通知書は「養護学校(今の特別支援学校)」と記されていた。隣の村(当時)にある養護学校には、自宅近くからスクールバスでの往復になる。それまで、一緒に育った子どもたちの中で、洋介だけが地域社会から引き離されることには不満だった。そこで、住んでいる自治体の公立小学校を調べたが、特別学級(今の特別支援学級)はどこにもなかった。障害のある子は、いったいどこに行ったのだろう(軽度の子が普通学級にいることはあったかもしれない)。ここに引っ越してくる前に、医師に告げられた、「(自閉症へのサポートは)何もありませんよ」との言葉を思い出した。

 隣市町の教育委員会をも巻き込んだすったもんだの末(詳しく述べても面白くないから省略)、結論を言えば、洋介のために、地域で唯一の特別学級が開設されることになった。それが決まったのは、もう2月にもなろうかという時期で、急きょ、一人の若い先生が赴任し、洋介と一対一の「たんぽぽ学級」(仮称)が作られたのだった。洋介は、この特別学級と同学年の普通学級を行き来して学校生活を送ることになった。

本気のラブレターをもらってきた日…「養護学校」の就学通知書に反して入った小学校で

イラスト:森谷満美子

小さな紙を開くと…

 初めてできた特別学級に、子どもたちは興味津々だった。何しろ、普通の教室にはない楽しげな絵本やおもちゃのような教材がたくさん。畳のスペースもあるので、休み時間に入り浸る子もいて、洋介もなんとなく溶け込んだ。とくに、上級生の女子に何かと世話をしてもらうことが多かった。

 2年生になった頃だったか、洋介がお手紙を持って帰ってきたことがあった。かわいらしく畳まれたそれを開くと、少し年上の女の子からだった。妻が中身を読んで驚いたことに、それは何と「ラブレター」だった。

 たまたま、自宅に来ていた友人夫妻に、「どう思う?」と言って、見てもらうと、 「これ、本気のラブレターじゃん!」との判定。

 全文がどうだったかは忘れてしまったが、「あしたもまた会えるかなと思うと……」とあったのは覚えている。

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梅崎正直(うめざき・まさなお)

ヨミドクター編集長
 1966年、北九州市生まれ。90年入社。その年、信州大学病院で始まった生体肝移植手術の取材を担当。95年、週刊読売編集部に移り、13年にわたって雑誌編集に携わった。社会保障部、生活教育部(大阪本社)などを経て、2017年からヨミドクター。

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