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【意思決定】「想(おも)い」を支える(5)患者である前に生活者

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【意思決定】「想(おも)い」を支える(5)患者である前に生活者

 押富俊恵さん(38)は、24時間人工呼吸器をつけている。三つのステーションと契約し、毎日2回、訪問看護師が来る。たんの吸引や体調管理、点滴、排せつなどのケアなしには今の暮らしが成り立たない。

 昨年秋、愛知県の自宅マンションで、一つのステーションの女性管理者と、少し後味の悪いやりとりをした。

 女性は、訪問範囲の変更により、別のステーションに替わることになると伝えにきた。引き継ぎをする日程も決めていた。何度も強調したのは、押富さんに対して「質の高いケア」を提供することだ。

 ありがたい言葉だと思いつつ、なぜだかモヤッとした。理由をあれこれ考えて、変更に際し、何ひとつ自分の要望を聞かれなかったからだと思い至った。

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