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Dr.えんどこの「皮膚とココロにやさしい話」

医療・健康・介護のコラム

「いい先生」を完璧にこなそうとしたら、医師は疲れ果ててしまう

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ネットの一方的評価で体調を崩す医師も

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 待ち時間、診察時間、医師の態度など、患者さんが不満を漏らすのは簡単です。今ではインターネットを調べれば、クリニックやその医師の批評や評価がされているサイトもあります。「食べログ」のように5段階評価されているのです。ご覧になったことのある方もいるでしょうし、実際にそれを見て受診されたという読者の方もいるでしょう。

 しかし、いわれもない批評を連発され、体調を崩された先生もいます。医療側は一方的に評価されるだけで全くの無抵抗ですので、ネットの匿名性がこういうところでも悪影響を起こしているんだなと痛感します。

 一般にはあまり知られていないことかもしれませんが、飲食業界では「覆面調査員(ミステリーショッパー)」と呼ばれる人をそのお店に客として送り込み、どうしてこの店舗はチェーン店の中でもずばぬけて売り上げがよいのか、または売り上げが少ないのかなどを、多くのチェック項目で評価するというお仕事?があります。その目的の多くはイマイチな店舗をより良くするためだと思いますが、ある意味“アラ探し”でもあります。目につくところをとことん見つけるということですから……厳しいですね。

 実は、私の友人が若い頃、この覆面調査員のアルバイトをしていたことがあり、「タダで高級なすしを食べられたりしたし、居酒屋やお好み焼き店のチェーンにもけっこう行った」ということでした。もしもこういう調査員が、病院やクリニックにも潜んでいるとしたらどう思いますか? 文句しか言わない患者さん、やたらともめる患者さんを見ると「まさか?」という目で見てしまうかもしれませんよね。ゾッとします(笑)

医師の体調が悪いことも ふだんの「いい先生」を信じて

 「いい先生」は、決して「いい先生キャンペーン」をやっているわけではありません。時には体調がすぐれない日もあって、口数が少ないとか、表情が曇っていることもあると思います。また、前の患者さんの態度があまりにも悪くて、気持ちが落ち込んでしまった直後に「診察室に笑顔で出迎え」は、さすがにいつものようにはできないかもしれません。もし、その先生のふだんが「いい先生」であれば、そちらの方を信じてあげてください。我々は体調が少々悪くても、休診にすることはできません。読者の方には、ほんの少しだけでいいので、そのあたりのご理解をいただけるとうれしく思います。

 前回と今回は、「皮膚」にも「ココロ」にもちっともやさしくない話でした。次回からは、またいつもの感じに戻りたいと思います(笑)。(遠藤幸紀 皮膚科医)

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遠藤 幸紀(えんどう・こうき)
皮膚科医。東京慈恵会医科大学皮膚科講師。乾癬かんせんという皮膚疾患の治療を専門とし、全国の乾癬患者会のサポートを積極的に行っている。雑学やクイズに興味があり、テレビ朝日「Qさま!!」の出場歴も。

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1件 のコメント

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3/17「いい先生を完璧に…」読みました

tsunpy

私はアトピー、脱毛症で皮膚科とは長いお付き合いがあります。 今脱毛症で通院中の皮膚科がまさに今回のコラムと重なりました。 院長先生はまさに「いい...

私はアトピー、脱毛症で皮膚科とは長いお付き合いがあります。
今脱毛症で通院中の皮膚科がまさに今回のコラムと重なりました。
院長先生はまさに「いい先生」。診察は的確でもしっかり話もきいてくれます。
開院されてから人気もうなぎ昇りでいつも混雑、営業前から順番取りの行列でした。
開院されて2年目にあまりの忙しさでしょうか、院長先生以外のスタッフがごそっと入れ替わり、また混雑解消のためWeb完全予約制システムを導入された頃からネットで心無い口コミを見かけるようになりました。
そしてある日突然院長先生の体調不良で休診。休診の理由は不明ですが、メンタル不調と噂されていました。もしかしたら診療再開されないのではないかとも言われました。
私は脱毛症のSADBE療法をしていて治療継続ができるのかとても不安でした。
幸い以前脱毛症のステロイドパルス治療のため受け入れてくれた病院から、休診の間治療をうちでしては?と声がかかり治療は継続できました。
診療は再開され、また元の皮膚科に戻りましたが、心なしか先生が以前のような張り合いがなくなってしまった感じがして気になっていました。
ですが、このコラムを読んで、先生だって人間、それに病み上がり。もしメンタル不調が本当ならいつも患者に全力でいるのは難しいのだと改めて分かりました。
患者は医師に対して完璧を求めがちです。
ですが患者も医者も人間、お互いの思いやりが大切ですね。
今は元の信頼できる先生の元で治療再開できたことに感謝しています。
これからも治療は長く続きます。
ゆっくり進んでいきたいと思います。

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