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Dr.えんどこの「皮膚とココロにやさしい話」

医療・健康・介護のコラム

「いい先生」を完璧にこなそうとしたら、医師は疲れ果ててしまう

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 こんにちは。皮膚科医のえんどこです。新型コロナウイルス感染がとうとう、パンデミック(世界的大流行)としてWHO(世界保健機関)に認定されてしまいました。各種イベントの自粛、学校も休校のまま、春休みを迎えることとなってしまっていますが、事態の収束の気配は全く見られません。東京五輪もこのままでは……。展開がとにかく早いので、あまり書かない方がよさそうですね。

いい先生とは? 医師側、患者側から様々な意見

「いい先生」を完璧にこなそうとしたら、医師は疲れ果ててしまう

 さて、 前回の「いい先生」についてのコラム ですが、医師側、患者側の双方から貴重なご意見をいただきました。医師側(特に皮膚科医)からは、「言いにくいことをよく言ってくれたね」「ふだん思っていることを代弁してもらった」というご意見もあれば、「読者がみんなそう思ってしまうから、変なミスリードみたいなことは書かない方がいい」というご意見(本当はもっと厳しめ)など、いろいろでした。

 患者さん側からも「あっという間の診察のため、不満が大きかったクリニックもあれば、いま通院しているところのように満足できるところもあります」とか「私の通っているクリニックは待つのが当たり前なので、あらかじめ時間つぶしのために、文庫本とか数独の本を持って行きます(音楽を聴いていると呼ばれた時に気がつかない場合があるので、イヤホンは使わないようにしています)」など、クリニックによる違いや対応策についてご意見をいただきました。患者さんが重きを置いているのは、待ち時間、診察時間ということももちろんですが、やはり「診察室における医師の態度」ということでした。

 意見を下さった先生、患者さん、本当にありがとうございました。ご意見のついでに「マーフィーの法則」を診察室の例に持ち出したところをおほめくださった先生もいました。個人としては、こっちの方がうれしいです(笑)。「医師と患者、お互いのためにもなるし、もう少し書いてみたら?」というアドバイスもいただきましたので、今回もう一度書いてみます。「皮膚とココロにやさしい話」というタイトルからはだいぶ離れてしまいますが、今回だけお付き合いください。

「患者誰一人不満なく」は、とてつもなく困難

 「いい先生」という配役?を完璧にこなそうとすればするほど、おそらく医師は疲れ果ててしまうことでしょう。「待ち時間を短くして」「診察室には笑顔で出迎えて」「患者さんの話には極力耳を傾けて」「できる限り患者さんに寄り添って」「正しい診断を下して」「適切な検査や適切な処方をして」「お大事に!と丁寧にお見送りする」。それでいて「診察時間は限りなく短くして」「患者さんには誰一人からも不満の声を出さないようにする」……。

 ここで質問です。こんなこと、どうやったらできるのでしょうか? 「正しい診断」「適切な検査・治療」については個人の実力次第だと思いますが、その他を常時すべて満たすことは、とてつもなく難しいことです。

 「いま通っているクリニックは、まさにその通りだよ。いい先生なんです」とおっしゃる患者さん、貴殿は素晴らしいクリニックに通っていると思います。ぜひ他のところには浮気などせず、しっかり通院して治療に専念してください。確かに、このような先生はいらっしゃいます。症状が長期間安定しているため、診察時間が短くても問題のなさそうな患者さん、症状がひどくなっていて週1、2回のペースで診察しなければならない患者さんなど、それぞれの患者さんに対する診察時間のかけかたが自然と身についている先生です。

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遠藤 幸紀(えんどう・こうき)
皮膚科医。東京慈恵会医科大学皮膚科講師。乾癬かんせんという皮膚疾患の治療を専門とし、全国の乾癬患者会のサポートを積極的に行っている。雑学やクイズに興味があり、テレビ朝日「Qさま!!」の出場歴も。

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1件 のコメント

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3/17「いい先生を完璧に…」読みました

tsunpy

私はアトピー、脱毛症で皮膚科とは長いお付き合いがあります。 今脱毛症で通院中の皮膚科がまさに今回のコラムと重なりました。 院長先生はまさに「いい...

私はアトピー、脱毛症で皮膚科とは長いお付き合いがあります。
今脱毛症で通院中の皮膚科がまさに今回のコラムと重なりました。
院長先生はまさに「いい先生」。診察は的確でもしっかり話もきいてくれます。
開院されてから人気もうなぎ昇りでいつも混雑、営業前から順番取りの行列でした。
開院されて2年目にあまりの忙しさでしょうか、院長先生以外のスタッフがごそっと入れ替わり、また混雑解消のためWeb完全予約制システムを導入された頃からネットで心無い口コミを見かけるようになりました。
そしてある日突然院長先生の体調不良で休診。休診の理由は不明ですが、メンタル不調と噂されていました。もしかしたら診療再開されないのではないかとも言われました。
私は脱毛症のSADBE療法をしていて治療継続ができるのかとても不安でした。
幸い以前脱毛症のステロイドパルス治療のため受け入れてくれた病院から、休診の間治療をうちでしては?と声がかかり治療は継続できました。
診療は再開され、また元の皮膚科に戻りましたが、心なしか先生が以前のような張り合いがなくなってしまった感じがして気になっていました。
ですが、このコラムを読んで、先生だって人間、それに病み上がり。もしメンタル不調が本当ならいつも患者に全力でいるのは難しいのだと改めて分かりました。
患者は医師に対して完璧を求めがちです。
ですが患者も医者も人間、お互いの思いやりが大切ですね。
今は元の信頼できる先生の元で治療再開できたことに感謝しています。
これからも治療は長く続きます。
ゆっくり進んでいきたいと思います。

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