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Dr.三島の「眠ってトクする最新科学」

医療・健康・介護のコラム

感染予防には十分な睡眠を…昼寝や寝だめは効果あるの?

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 こんにちは。精神科医で睡眠専門医の三島和夫です。睡眠と健康に関する皆さんからのご質問に科学的見地からビシバシお答えします。

 新型コロナウイルスの感染拡大が大問題となっています。感染予防には、人が密集している場所や換気の悪い場所を避けること、手洗いを徹底することなどが推奨されています。そして、「睡眠を十分に取ると免疫力を高める。だからしっかり寝ましょう」と書いてある健康関連サイトもあるようですが、これには根拠があるのでしょうか?

睡眠と免疫の深い関係

 寝不足で過労気味の時に風邪を引きやすいことは、みなさんも経験上よくご存じでしょう。確かに、睡眠と免疫機能との間には深い関係があります。より正確に表現すれば、「睡眠不足によって免疫力が低下する」ことが研究から明らかになっています。

 米国カーネギーメロン大学とピッツバーグ大学が共同で行った、睡眠時間と免疫力の関係を調べたユニークな研究があります。21~55歳の健康な男女153人を対象にして、睡眠状態を詳細に調査した後に、ライノウイルスが含まれた液体を点鼻して、その後、風邪にかかったかを観察したのです。日本ではなかなかできない思い切った研究です。

 ライノウイルスは、風邪を引き起こす代表的なウイルスの一つです。くしゃみや鼻水、せき、全身のだるさなど、いわゆる鼻風邪の原因となります。ちなみに、最近大流行しているコロナウイルスも、元々日本でも見られていた風邪ウイルスの一つで、今回大流行したのはその変異型です。

 さて、この研究の結果、ライノウイルスに暴露される前の睡眠時間が「7時間未満」だった参加者は、「8時間以上」だった参加者よりも、約3倍(2.94倍)風邪にかかりやすいことが分かりました。同様に、睡眠効率(寝床で横になっている時間のうち、実際に眠れている時間の割合)が「92%未満」の睡眠の質が悪い参加者は、「98%以上」の睡眠の質が高い参加者よりも、5.5倍風邪にかかりました。睡眠不足になると風邪に対する抵抗力が低下することを端的に示しています。

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三島和夫(みしま・かずお)

秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座 教授

 1987年、秋田大学医学部卒業。同大助教授、米国バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。日本睡眠学会理事、日本時間生物学会理事。著書に『不眠症治療のパラダイムシフト』(編著、医薬ジャーナル社)、『やってはいけない眠り方』(青春新書プレイブックス)、『8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識』(共著、日経BP社)などがある。

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