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「高リスク3条件」そろうライブハウス…混雑・近くで発声・密閉空間

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「高リスク3条件」そろうライブハウス…混雑・近くで発声・密閉空間

 大阪市内のライブハウスで新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。10日午後10時半現在、4か所で感染者は15都府県計79人に広がった。ライブハウスでの感染者は、クルーズ船を除く国内感染者の1割超を占め、政府の感染症対策本部の専門家会議もリスクが高い場所の一つとして注意を呼びかけている。

■3条件

 最初に感染者が確認された「大阪京橋ライブハウス アーク」(大阪市都島区)は、4階建て雑居ビルにある。アークが入る1階部分の広さは約200平方メートルだ。大阪府などによると2月15、16両日それぞれのライブ参加者は、客やスタッフ、出演者を合わせて約130人。ステージは午後6時頃始まり、複数のバンドが登場した。座席はなく、立った状態で楽しむいわゆる「スタンディング」のイベント。肩が触れあうほどの混雑の中で観客らは約3時間、ドリンクを片手にロックやポップスを楽しんだ。

 専門家会議は、クラスター(小規模な感染集団)発生の条件に「密閉空間で換気が悪い」「手の届く距離に多くの人」「近距離での会話や発声」の三つが重なることを挙げている。これまでスポーツジム、屋形船などで発生が報告され、カラオケボックスなども危険性が高いとされるが、近畿大の吉田耕一郎教授(感染症学)は「密閉空間で、大勢が声を出してかなりの時間を過ごす点で、ライブハウスは中でも高リスクだ」とする。

■高い感染率

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 アークの感染者数は30人で2日間の参加者の1割超が感染した計算だ。高い感染率の背景に指摘されるのが、狭い空間で唾液などの 飛沫(ひまつ) が微粒子として空中を漂って感染拡大を招く「エアロゾル感染」の可能性だ。

 新型コロナウイルスは日常生活では、せきやくしゃみの飛沫を直接吸い込む「飛沫感染」、ドアノブなどを介した「接触感染」で広がるとされる。一方、エアロゾル感染が閉鎖空間で起こった場合、集団感染につながりやすいとみられる。

 ライブハウスは遮音のため窓がなかったり、地下にあったりする施設が多い。大阪府の吉村洋文知事は「(エアロゾル感染の)一定の条件が整ってしまったのではないか」とし、厚生労働省の対策班と分析を進めている。

■施設から施設

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 感染が複数の施設に連鎖したのは関係者が移動したことが大きいとみられる。

 業界関係者によると今回の4か所のような小規模なライブハウスは自前の音響・照明スタッフがおらず、外部に委託し、出入りのスタッフは複数施設をかけ持ちすることが少なくない。

 今回の感染者のうち、二つ以上の施設に足を運んだ人が少なくとも8人おり、1人は三つの施設に出入りしたイベント関係者。複数のライブを渡り歩いたとみられる客らもいる。目当てのバンドのため遠方から駆けつけたファンもおり、全国に感染者が広がった。

 ライブ参加者の家族や同僚らの感染者は少なくとも22人に上り、吉田教授は「さらなる連鎖を抑え込むには参加者全員に検査を呼び掛け、感染の有無が確認できるまで慎重な行動を促すことが重要」と強調する。

 特定されていないライブ参加者も多く、大阪府や大阪市はライブハウスのイベント参加者に最寄りの保健所などへの連絡を呼びかけている。

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