「続・健康になりたきゃ武道を習え!」 山口博弥
医療・健康・介護のコラム
ひたすら食べて筋トレ、きつい稽古 極真会館を代表する選手に

夏合宿で指導する赤石誠さん(2018年7月。赤石さん提供)
高2で入門 最初はスタミナなく、稽古中にダウン
複数の不良からボコられて火がついた「強くなりたい」という思い。
立ち技格闘技の大会「K-1グランプリ」で戦う極真空手出身選手のかっこよさへの憧れ。
池袋の総本部道場まで自宅から自転車で10分という近さ。
これら三つがすべてつながり、高校2年生だった赤石誠少年は1998年6月、ついに極真空手に入門した。
初日の稽古では、立ち方や構え、基本の突きや蹴りを教えてもらい、相手と突きや蹴りを出し合う「組手」の練習は見学だった。2日目か3日目からは、組手もやらせてもらった。しかし、中学3年生から高校1年生までほぼ2年間、ほとんど運動らしい運動をしていなかったから、なにしろスタミナがない。不覚にも、稽古の途中でダウンしてしまった。
情けなかった。体力のなさや弱さを痛感し、「鍛え直そう」と決意した。それからは、毎日放課後に自宅で、拳立て(拳でやる腕立て伏せ)や腹筋、スクワットを50回×2セットずつ行った。体の大きな道場生に「どうすればそんなに大きくなれますか」と聞くと、「とにかく食べること」と言う。それからは、どんぶり3杯のご飯と、肉をたくさん食べるようにした。こうして、ひたすら食べてまじめに筋トレを続けた結果、半年ほどで体重が10キロ増え、80キロを超えた。
「たくさん食べないと、強くなれないよ~」
そういえば、極真空手創始者の大山倍達総裁も、生前は弟子たちに「キミたち~、たくさん食べて、たくさん稽古しなさい」「たくさん食べないと、強くなれないよ~」などとよく指導していたと聞く。ご飯の普通盛りにさえ罪悪感を覚えてしまう50代後半の記者(山口)からすれば、遠慮なくたくさん食べられることって、「若者の特権」だとつくづく思う。ああ、うらやましい!
さて、赤石さんは高校3年の時、黄帯で関東大会に出場した。重量級は層が薄いため出場したのは6人だったが、トーナメントを一本と技ありで3回勝ち抜き、見事、優勝した。トロフィーを家に持って帰ると、父親はすごく喜んでくれた。「空手をやって良かったな」。そう思った。
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