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名古屋のデイサービス2か所で集団感染…126事業所に2週間の休業要請

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 新型コロナウイルスの感染が広がる中、名古屋市は6日、デイサービス事業所で11人の集団感染が確認されたとして、同市緑区と隣接する南区の全126の事業所に対し、7日から2週間の休業を要請したと発表した。厚生労働省によると、新型コロナウイルスの対策で、自治体が地域内の事業所に休業を一斉に要請するのは全国で初めて。

 集団感染が起きたのは、同市緑区の2か所のデイサービス事業所。今月1日から5日にかけて、市内の共同住宅に住む80歳代女性の感染が確認され、この女性が利用していた緑区のデイサービス事業所で他の利用者を検査したところ、新たに5人の感染が判明。さらに、このうちの1人が通っていた別のデイサービス事業所でも5人の感染がわかった。

 また、デイサービス事業所の集団感染とは別に、80歳代女性と同じ共同住宅に住む別の女性2人も感染しており、この共同住宅を訪れるなどした2人も陽性と判明した。6日には、集団感染が起きたデイサービス事業所の一つで、新たに3人の感染も確認された。

 市はこうした事態を受け、両事業所でクラスター(小規模な感染集団)が発生していると判断。担当者は「法的根拠はないが、感染の拡大を防ぐ緊急措置」としている。7日からの休業が難しい場合も、早期に2週間休業するよう求めた。

 同市からの2週間の休業要請に、デイサービスの利用者や事業者からは戸惑いの声が上がった。

 週4回、義母が同市緑区のデイサービス事業所に通っているという女性(75)は、デイサービスがない日に自身で義母を介護しており、「急なことで驚いた。本人も通うのを楽しみにしているので、休業は困る」と困惑した様子だった。

 週2回、認知症予防のためにデイサービスを利用しているという男性(89)は「施設で楽しむ体操やゲーム、おしゃべりが気晴らしになっている。行けなくなるのは寂しい」と残念がった。

 デイサービスも行っている同市南区の特別養護老人ホーム「オレンジタウン笠寺」は9日から休業することを決め、利用者らへの連絡に追われた。真田昌代施設長(44)は「感染が広がり、市も苦渋の決断だったのだろう。やむを得ない」と語った。

 一方、同市南区のデイサービス事業所「道」は要請に応じず、営業を続けることにした。小鹿泰治郎代表(70)は「一人暮らしの高齢者はデイサービスがなければ生活できない。誤嚥ごえん徘徊はいかいなど、高齢者を1人にすることの危険性にも注意を払うべきだ」と話した。

 全国約161万人が利用

 デイサービスは、高齢者らが自宅などから通って受ける介護サービス。送迎があり、食事や入浴のサポートなどを受けられる。全国で約161万人(昨年9月現在)が利用し、毎日通う人もいれば、週1回利用している人もいる。認知症で目が離せない親を仕事中に預けるといった利用の仕方も多い。

 厚生労働省は2月18日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、都道府県などの判断で感染者が出たデイサービスなどに、休業を要請するよう通知した。利用できなくなった人には、訪問介護サービスなどの利用を想定している。

 2009年に新型インフルエンザが流行した際も、初期に感染者が出た大阪府や兵庫県などが、感染者が出た地域のデイサービス事業者などに休業を要請したが、高齢者が必要なサービスを受けられなくなるなどして問題になった。

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