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医療・健康・介護のコラム

「オムロンヘルスケア」 荻野勲社長インタビュー(2)国民の脳・心血管疾患発症ゼロを目指します

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  オムロンヘルスケアを引っ張る荻野勲社長(54)に、ヘルスケア産業の現在と未来、今後の事業展開、さらに「健康関連企業の健康経営」などについて聞いた。インタビューの2回目です。

市場調査はすぐに過去のものになる

――企業ですので、当然ながら他社との競争もあります。

オムロン社長(2) その通りではありますが、あまり市場の分析や調査に頼らないようにしています。商品企画はどうしても分析から始まります。それをやってはいけないとは言いませんが、我々は何かアイデアを考え、開発し、許認可を取って、世の中に出すまで2年ぐらいの時間がかかります。他社の新商品も、それが考えられたのは少なくても2年前です。調査し、分析した結果はすべて過去のデータになってしまいます。

 今の市場動向ではなく、2年後にどうなるかのほうが大切なのです。社員には、どんな世界がやって来るかを考えてから、商品を企画し、開発するように言っています。事業というのはミッションです。自分たちが成し遂げたい世界を造る道具でいいのです。

――なるほど。従来型の「マーケティングありき」ではないということですね。なおさら、医療機器メーカーとして将来的な消費者のニーズを先取りしていく必要があります。同時に企業として成長していくためには、経営者として「選択と集中」の方向に進むのか、それともニーズに細かく答えていく多様性を追求していくのかが問われますが。

 当社には、「循環器」「呼吸器」「ペインマネジメント」の三つのコア事業があります。「循環器」分野は「ゼロイベント」を目標に、QOLを上げる商品やサービス開発を進めていきます。「呼吸器」分野にかかわる商品はぜんそくの治療に使う「ネブライザー(吸入器)」などです。ぜんそくの患者さんは増えていきますし、COPD(慢性閉塞性肺疾患)のニーズもある。オムロンヘルスケアは、この分野では世界でナンバーワンのシェアを持ちます。そして三つ目の「ペインマネジメント」分野は、「痛みの緩和」です。高齢化が進む中、膝、腰の痛みを和らげ、少しでも長く自分で歩いていただけるように貢献していきたい。

 とにかく、目的をはっきりさせた商品やサービスを作っていこうと考えています。

――2017年以降の中長期的な戦略商品は。

 やはり主力は血圧計です。連続的に測ることで情報は増えていきます。腕時計のように身につけて、測定回数を上げることができるものや、医療現場での研究に活用いただくものなど、幅広い展開を考えています。何が血圧を変動させるのかがわかれば循環器のメカニズムが見えてくるのでメリットが大きい。その答えの一つがウェアラブルであり、これで医学的にも貢献できると思います。

――地方自治体と一緒に、市民の健康と地域の活性化を同時に取り組みもされています。今後も各地域とのコラボを進めていく予定ですか?

 地方自治体関係については、NTTドコモと弊社で設立した関連会社「ドコモ・ヘルスケア」とのコラボでシステムを一緒に作るなどを進めています。

 地方への貢献としては、今は三つの方法論で進めています。一つ目は遠隔医療の推進に我々のシステムが寄与すること。これは沖縄の離島などで使われています。二つ目は市民に機器などを提供して、歩くことを推奨するような取り組み。歩いた距離がポイントとなり、それに応じた金券が出るなどの枠組みがあれば、地域の活性化にもつながります。そして、それが地域の医療費削減につながります。そして三つ目として、独り暮らしのお年寄りの見守り的なサービスです。これも自治体などとの連携が必要になっていきます。

(聞き手・染谷 一)

荻野 勲(おぎの・いさお)
【略歴】1962年生まれ、東京都出身、1985年日本大学理工学部卒。立石電機株式会社(現オムロン株式会社)入社。2003年オムロンヘルスケア新規事業開発センター事業開発部長、06年同社執行役員、09年医療機器事業統括部長、12年Omron Healthcare,Inc.社長、14年オムロンヘルスケア執行役員副社長、2015年より同社代表取締役社長

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 社員の健康を経営の重要課題に位置づける「健康経営」に取り組む企業が増えています。業務の効率化だけでなく企業イメージの向上などに効果があるとされ、国も後押ししています。健康経営を推進する企業のトップへのインタビューを随時掲載します。

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