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健康経営の人

医療・健康・介護のコラム

NTTドコモ(上)吉澤和弘社長に聞く 歩いてdポイントを!

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 国内最大の携帯電話事業会社のNTTドコモがヘルスケアの分野でさまざまなサービス展開を見せています。通信ネットワークの提供から、通信に乗せるサービスの創造へ。少子高齢化時代の中で、健康長寿への貢献を目指す吉澤和弘社長にヘルスケア事業へのビジョンから社員の健康増進活動まで考えを聞きました。 

吉沢社長(上)

――ヘルスケアや医療にかかわるサービスに幅広く取り組んでいますね。

 私ども、音声やデータをネットワークで流すのが主な仕事ですが、教育やエンタメなどいろいろなものをネットワークに乗せて、お客様に提供するのも大きな事業分野です。ヘルスケアもその中のひとつ。少子高齢化の中で、ヘルスケアや医療は日本の社会課題でもあります。モバイルICT(information and communication technology)を活用して、健康寿命増進の実現をわれわれが少しでもお手伝いできればと思って、力を入れています。 

――他の企業との連携を積極的に進めていますね。

 いろいろなパートナーの方とアライアンスを組んで、ドコモの強みをうまく使っていただいてサービスの価値を上げていく。それを、「協創」と呼んでいます。例えばオムロン ヘルスケアは、歩数とか活動量、睡眠などいろいろなセンサー技術をお持ちです。一緒にドコモ・ヘルスケアという会社を作り、しっかりと組んでサービスを提供しています。 

――主力サービスのひとつが、「dヘルスケアパック」で、4つのサービス、15アプリをセットにして月額500円で提供していますね。

 約40万人のお客さまにご契約いただいています。中でも一番利用されているのは、「歩いておトク」というアプリ。歩数データを蓄積するだけではなく、インセンティブとして歩いた量に応じてdポイントがたまっていきます。例えば、毎日7000歩ほど歩く方であれば、月に500円分ぐらいたまることもあります。ポイントを使っていただいて、健康増進にも役立てばと思っています。スマートフォンだけでも利用できるのですが、ムーヴバンドなどのウェアラブル機器と連携して利用すればさらに使いやすく、ポイントもたまりやすくなります。 

――「歩いておトク」のほか、「からだの時計」や「カラダのキモチ」というアプリも広く利用されているようですね

 「からだの時計」は、睡眠の深い、浅い、覚醒という状態を把握し、専門家が監修した健康情報を見ることで、望ましい生活リズムがわかるようになります。女性向けのアプリで、基礎体温を計測して生理日や排卵日を予測し、健康アドバイスも提供しているのが「カラダのキモチ」。「Runtastic for docomo」はランニングやトレーニングなどを個人の目的やレベルに合わせてサポートします。

――社長もムーヴバンドをされていますね。ご自身もアプリを活用しているのですか。

 ドコモグループの従業員を巻き込んで「ドコモみんなで歩こう!キャンペーン」を展開していることもありますが、ムーヴバンドはずっと着用しています。歩数や活動量、睡眠が計測でき、活動全体や睡眠の状態がわかります。一般的にはスマホやアプリでも計測できるのですが、ムーヴバンドだと常に身に付けることができるので、スマホの計測に比べてより精度の高い活動や睡眠のデータを取ることができます。 

 

ムーヴバンド活用、1日平均7000歩

――社長の立場では、なかなか歩く時間を取るのは難しくはありませんか。

 (手元のスマホで「わたしムーヴアプリ」に表示された歩数の棒グラフは土、日が長い)私は平日に歩くといっても限界がありますので、土曜日、日曜日に時間があれば10キロぐらいジョギングをしようと思っています。歩きか、早歩きか、走っているのか加速度を検知して、3段階に色分けして表示されるので、自分は早く歩いているのかなということがわかってとてもいいですよ。平均すると1日7000歩ぐらい。これが私の歩いた記録です。睡眠を見てみると、深い眠りが少ない感じがします。

――多忙な中でも健康を意識してしっかり歩いていることに驚きました。サービス展開の話に戻ります。ドコモのスマートフォンだけではなく、どこの会社の機種でも使えるキャリアフリー化を進めていますね。

 「dヘルスケアパック」は、今はまだドコモのスマートフォン限定ですが、ムーヴバンドや計測データをグラフ表示する「わたしムーヴアプリ」など一部のサービスはすでにキャリアフリーでお使いいただけますし、今後さらにキャリアフリーのサービスを増やしていきます。回線契約はわれわれのサービスのひとつではありますけど、教育やエンタメ、ショッピングなどいろいろなサービスをキャリアフリーでやっています。どこの通信会社であってもドコモの会員になっていただくと、いろいろなサービスが受けられますよ、ということなんです。

 

心拍、血圧計測も見える化目指す

――ヘルスケアサービスをさらに役に立つものにするために、追加したい機能はありますか。

 センサーを増やしていくことです。他社製品ですでに搭載しているものもありますが、心拍数をつけていきたいですね。どのくらいの運動で心拍数はどうなるのか。そして究極的には血圧です。まだ少し時間はかかると思います。

――活動を「見える化」して、日常の健康管理に役立ててもらおうというdヘルスケアパックですが、今後、どのように利用者を増やしたいと考えていますか。

 現在、一番使っていただいているのは、40、50代の方で、女性が少し多いようです。すでにビジネスとしてある程度成り立っていますが、30代後半からシニア層にももっと広げたいと思っています。特に企業の健康保険組合との連携など法人向けにも力を入れて行きたいですね。NTTグループでも実施していますが、ポイント付与の仕組みなど企業向けにカスタマイズすることもできます。自分のデータが見えて、ポイントがつくと、歩くことも苦になりません。こうしたサービスを通して、健康長寿に貢献していきたいと考えています。

(聞き手・渡辺勝敏)

 

吉澤 和弘(よしざわ・かずひろ)
【略歴】1955年生まれ、群馬県出身、岩手大工学部卒。1979年日本電信電話公社入社。1994年エヌ・ティ・ティ移動通信網(現NTTドコモ)資材部担当部長、2000年エヌ・ティ・ティ・ドコモ(同)経営企画部担当部長、2007年執行役員第二法人営業部長、2011年取締役執行役員人事部長、2012年取締役常務執行役員経営企画部長 モバイル社会研究所担当、 2014年代表取締役副社長 技術、デバイス、情報戦略担当、2016年代表取締役社長(現職)

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 社員の健康を経営の重要課題に位置づける「健康経営」に取り組む企業が増えています。業務の効率化だけでなく企業イメージの向上などに効果があるとされ、国も後押ししています。健康経営を推進する企業のトップへのインタビューを随時掲載します。

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