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田村専門委員の「まるごと医療」

医療・健康・介護のコラム

新型コロナウイルス肺炎 分かったこと 分からないこと やるべきこと やるべきではないこと

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発熱や風邪の症状、長引く倦怠感

若者に対して風の通しの悪い空間に行かないよう要請

若者に対して風の通しの悪い空間に行かないよう要請

 発熱などの風邪の症状や体のだるさが1週間ほど続き、多くの人は軽症で治る。ただし、一部の人では呼吸困難などを引き起こして重症化し、命にかかわることもある。高齢者や持病のある人では重症化しやすい。感染を防ぐには、手洗い、せきエチケットを徹底するほか、集団感染を防ぐには、換気が悪く人が密に集まって過ごすような空間に集まることを避けるべきだ――。中国で新型コロナウイルスによる肺炎患者の発生が報じられてから2か月近く。北海道では緊急事態宣言が出されるなど、感染の拡大防止に向けて正念場を迎えるなか、その特徴も少しずつ見えてきた。

8割の患者は軽症や中等症

 世界保健機関(WHO)と中国の専門家でつくる合同調査チームは2月28日、中国国内での新型コロナウイルスについての報告書をまとめた。20日までに診断された5万5924人の症例について、患者や症状などの分析結果を報告している。

 それによると、年齢の中心は51歳で、30歳代から60歳代が77・8%を占めた。男女差はほぼなかった。症状は、発熱(87・9%)、乾いたせき(67・7%)、倦(けん)怠(たい)感(38・1%)、たんの発生(33・4%)などだった。潜伏期間は平均で5~6日(全体では1~14日)だった。

 感染してもほとんどの人は軽症で回復。患者の80%は軽症か中等症で、肺炎のあるケースもないケースもあった。13・8%が呼吸困難などを伴う重症で、6・1%が重篤だった。また重症化した人でも多くが回復しているとの報告も出されている。

高齢者や持病のある人でリスクが高く

 致死率は、中国全体では3・8%だが、武漢が5・8%と高く、武漢を除く地域では0・7%だった。年齢別では80歳以上が21・9%と高く、性別では男性(4・7%)が女性(2・8%)よりも高かった。

 また、持病のない人の致死率(1・4%)に比べ、持病のある人で高かった。病気別では、心臓病のある人(13・2%)、糖尿病(9・2%)、高血圧(8・4%)、呼吸器疾患(8・0%)、がん(7・6%)と続いた。一方、子どもの患者は少なく、重篤化する割合も低かった。

ウイルス検査では「陰性」なのに

 見えてきた特徴もある一方で、まだよく分からないことも多い。

 症状が治まってウイルスの検査で「陰性」と診断されたのに、退院後に再び症状がぶり返し、ウイルス検査でも「陽性」と診断された例があった。果たして再感染が起きたのかどうかは不明だ。一般的に、一度感染して治ったケースが短期間で再感染することは考えにくいとされていることから、体内から完全に消えてはいなかったウイルスが、再び増殖した再燃の可能性も指摘されているが、詳しいことは分かっていない。

 最初の検査では陰性だったのに、再検査では陽性と診断されるケースも多いことが報告されている。検体を採取する、のどで増殖するウイルスの量が、インフルエンザと比べても桁違いに少ないことが理由とみられており、検査には限界があることを知っておきたい。

 感染しても症状が出ていない人から、他の人に感染する可能性がどれくらいあるのか、症状が治った後もウイルスはどれくらいの間、体内に残っているのかなど、不明なことは多い。

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田村 良彦(たむら・よしひこ)

 読売新聞東京本社メディア局専門委員。1986年早稲田大学政治経済学部卒、同年読売新聞東京本社入社。97年から編集局医療情報室(現・医療部)で連載「医療ルネサンス」「病院の実力」などを担当。西部本社社会部次長兼編集委員、東京本社編集委員(医療部)などを経て2019年6月から現職。

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1件 のコメント

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変わるものと変わらないもの

寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受

色々な情報が上がってきていますが、結局、感染経路、他の微生物や疾患との対比しかないですよね。 新型コロナウイルスが、他のどんな微生物と暴れるとし...

色々な情報が上がってきていますが、結局、感染経路、他の微生物や疾患との対比しかないですよね。
新型コロナウイルスが、他のどんな微生物と暴れるとしても、人間や人間社会そのものはいきなり変わるわけでもありません。
最小限と最大限を考えて、個人も組織も自分を見失わない程度にマイペースで準備していくしかないでしょう。

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