今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」
健康・ダイエット・エクササイズ
鼻呼吸促す「口テープ」の魔法 口の乾燥やいびき軽減
朝起きた時、のどがイガイガ、ヒリヒリする。なかなかすっきりと起きられない。人から、いびきがひどいと言われる――。このような自覚症状がある人は、寝ている時に口を開けている可能性があります。
日中起きている時には、口を閉じるように気をつけているのに、就寝中に口を開けていては、それこそ人生の3分の1を損しているようなものですね。もったいない!
就寝中は唾液の分泌が減り、口の中が乾きやすくなります。朝起きた時の 歯垢 は、糞 便よりも1グラム当たりの細菌量が多いとも言われます。これでは、せっかくの命の上流が汚れてしまい、下流の体に様々な影響が出そうです。
やはり寝ている時も口を閉じて、鼻呼吸している方が良いのです。その主役となるのが、以前にも紹介した一本のテープ。鼻呼吸を促すのに加えて、どんな意味があるのでしょうか。
口テープで手足の症状が改善した
長野県の歯科医師、中島潤子さんは、糖尿病と歯周病の関連や、口呼吸と全身疾患の関連について、地域で数多くの講演をしています。その中島さんのところに、 掌蹠膿疱症※に悩む52歳の女性が受診しました。
あちこちの病院を受診しても、漢方を試しても全く改善せず、いつも手が赤くはれていて、指先もひび割れ、 絆創膏 が手放せない状態でした(写真左)。指先の指紋もなくなるほどで、日常生活もつらい状態です。かかともガサガサとして(写真右)、本人だけじゃなく、家族も気落ちしていました。
もともとは歯周病の定期管理で受診していたのですが、中島さんは、歯肉の腫れや歯石が付きやすい口腔内の状態から、「口呼吸がある」と推察しました。そこで歯のクリーニングの合間に、夜の口呼吸を改善する「口テープ」を紹介して、表情筋、舌筋のトレーニングである「あいうべ体操」と一緒に続けてもらいました。
10か月ほどで手足の症状は改善し、特に手のひらはとてもきれいになり、皮膚がひび割れることもなくなったので、あちこち貼っていた絆創膏も必要なくなったのです(写真)。なんと口テープを始めた頃から、薬の服用は一切やめてしまったにもかかわらず。
※掌蹠膿疱症 手のひらや足の裏に無菌性の膿疱が出現する病気で、長年にわたり慢性に経過し時には関節炎をともなったりする
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