教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
睡眠不足 糖尿病と関係ある?
ホルモン乱し肥満招く
Q 健康診断で「糖尿病予備軍」と言われたの。お医者さんから注意されたけど、カロリー制限も運動も長続きしない。
ヨミドック よく眠れていますか。
Q 慢性的な睡眠不足。仕事がら“昼夜逆転”することもしばしばよ。
ヨ 検査値が悪いのは、それが原因かもしれませんね。睡眠不足が、体内で悪循環を引き起こしているんです。
Q 詳しく教えて。
ヨ 睡眠不足が続くと、血糖値を下げるホルモン「インスリン」が出にくくなったり、働きが徐々に弱まったりします。さらに、食欲を抑えるホルモン「レプチン」などの分泌が減り、逆に食欲を高めるホルモン「グレリン」などが増えます。食べる時間は自然と長くなり、量も多くなっていきます。
一方、睡眠不足で疲労が回復しないと、昼間のエネルギーの代謝も落ちます。
Q やっぱり……。太るわけよね(ため息)。
ヨ 極端な夜型生活もよくありません。
人の体温は、昼に高くなり、夜に向けてだんだんと下がります。夜型の生活では、朝起きた後も体温が低いまま。逆に、夜眠る時間でも、体を活動的にさせる交感神経が興奮している。体内リズムが乱れたこの状態だと、インスリンが働きにくくなるのです。
睡眠不足が、あちこちの機能に影響するんですよ。
Q そうか。だから寝覚めはいつも最悪……。
ヨ 実は、寝覚めのよさも、血糖コントロールと関係しています。目覚め(覚醒)をつかさどるホルモン「オレキシン」は、体内リズムに合わせて代謝を調整する機能を持っています。朝、活発に分泌され、適切に血糖値を上げて、体が活動しやすいようにサポートしますが、リズムが乱れた夜型では、明け方にオレキシンが働かないため、寝起きも悪く、午前中の元気も出ません。
Q 結論はわかったわ。今日から生活を整えなくちゃ。
ヨ そう、睡眠を改善し、決まった時間にきちんと食事をとることが、糖尿病予防の第一歩です。
(鈴木敦秋/取材協力=笹岡利安・富山大学学術研究部教授、粂和彦・名古屋市立大学薬学部教授)
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
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